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近畿大学 図書館司書 『生涯学習概論』合格レポート 2024年4月入学


【設題】

①生涯学習支援のために図書館が果たす役割とは何かについて述べなさい。
②生涯学習を振興するために、社会教育行政や施設の基本的な役割について述べなさい。

【レポート】(2,091字)

設題①
 図書館の基本的な役割は、読書と学習に必要な資料を収集・整理・保存し、人々が求める資料や情報資源の案内・探索と提供によって読書と学習を支援する事である。図書館の利用では資料や情報を情報探索能力で必要資料や情報資源を探し、利用することによって学習が行われるため、生涯を通して持続的に学び続ける生涯学習を支援する機関として、図書館と生涯学習は密接な関係にある。特に図書館法で定められ、図書館の中で最も設置数が多い公立図書館の生涯学習支援のために果たす役割を述べる。
 公立図書館の基本的役割は、人々の教養や調査研究、レクリエーション等に役立つことを目的に、人々の希望に沿って学校教育援助と家庭教育の向上に役立つよう留意した上で、各種の図書館サービスを実施することである。 資料の貸出や個人が学習する場に加えて、司書による利用者への相談サービスであるレファレンスサービの充実や講座・セミナーの開催、関連機関・団体との連携・協力など地域の情報センターとしての図書館が求められている。様々な利用者へのサービスとして、児童・青少年支援、高齢者や障がい者、多文化サービスや子育て・教育支援、学校・行政支援、地域のビジネス支援、健康・医療や法律の情報提供など多岐にわたっており資料や情報の収集と提供、多様な方法での学習を可能とするために、他の図書館との相互貸借等の連携が必要ある。また、教育や地域の人々との交流を支援する場として、読書会や展示会、関係機関や社会教育施設との連携による講座・セミナーの開催、地域住民のボランティア活動の養成や活動機会の提供など地域コミュニティ成支援は、学校や仕事だけでなく、趣味や興味関心に応じた分野の学びを含む生涯学習に重要である。
 今後の公立図書館は、その地域の全ての人々が個人や地域の課題解決のために学びやすく交流できるようにするべきであり、そのために誰でも資料へアクセスできる情報技術化の推進、公立図書館が未設置地域での公民活用のための周辺地域の図書館による連携、利用者の偏りを無くすために他の公共施設や社会教育機関との連携とその内容の積極的な広報が重要だと考える。
 
設題②
 社会教育行政の役割は、公民館・図書館・博物館の設置、学級・講座の設置、イベントの開催、指導者の研修等の施策を通じて、人々の自発的・自律的な学習活動を中立性・継続性・安定性をもって奨励・促進・支援するである。
 社会教育行政は社会教育活動を促進・支援する中で、地方分権主義を原則とするため、国は予算の範囲内で地方公共団体へ財政的支援を行い、地方公共団体が社会教育行政の主な担い手である。地方公共団体が予算の範囲内で、社会教育施設の設置・運営、各種学級・講座・集会の開催、民間団体・指導者の自発的活動を促進する上での指導・助言を行い、地域住民の学習活動を直接的に支援する役割をもつ。
 社会教育施設は、地域住民の学習拠点である公民館、広域的な観点から県民の生涯学習を支援・推進する生涯学習センター等の総合的な機能をもつ施設と、図書館・博物館・青少年教育施設等の専門領域を対象とする施設がある。社会教育施設の役割は人々の学習ニーズに応じた学習機会の提供に加え、地域課題の解決や学校・家庭・地域の連携推進等の社会の要請に応じた機能の充実がある。
  公民館の役割は、その地域住民の生活に即する教育・芸術・文化に関する事業を行うことによって、住民の教養や健康増進、情操の純化を実現し、生活文化の振興と社会福祉の増進に寄与することである。また、生涯学習と地域コミュニティをつなげる支援拠点としての役割も求められる。
 図書館の役割は、様々な資料の収集・整理・保存、利用者への情報提供・探索支援と学習・研究調査の支援、資料の収集・保存による文化・知的遺産の蓄積と継承等が挙げられる。中でも公立図書館は、住民に対して地課題解決のための学習支援や教育活動の機会提供、読書の重要性や楽しさを伝える役割もある。また、他の社会教育施設との連携も求められている。
 博物館の役割は、歴史や文化、産業、自然等の資料の収集・保管、資料に関する調査研究、資料展示や教育活動を通じた生涯学習支援である。展示の内容や情報が伝わるような展示方法の工夫、講演・講座やワークショップ等の教育活動だけでなく、ボランティアの受け入れによる地域住民や利用者の意見を反映させた運営につなげる等の生涯学習支援が求められている。
 青少年教育施設の役割は、青少年の健全な育成を目的とした自然体験や生活・交流のために団体宿泊訓練又各種の研修を行う場としての役割があり、具体的には、青年の家、少年自然の家、児童文化センター、野外教育施設等がある。また、青少年教育施設は、交流や研修、自然体験活動のために自然環境が豊かで広大な敷地をもっていたり、社会の一員としてルールの遵守や協調・コミュニケーション能力、基本的な生活習慣が集団宿泊験を通じて身に着けられるよう、宿泊施設を有している等、社会教育施設の役割を果たせるような特徴をもっている。

【参考文献】

馬場 祐次朗執筆・編集代表 『二訂 生涯学習概論』 ぎょうせい 2018.4.15
小林 繁・平川 景子・片岡 了 『生涯学習概論 第3版』 エイデル研究所 2023.6.28
佐藤 晴雄 『生涯学習概論 第3次改訂版』 学陽書房 2023.3.30
渡部 幹雄 『生涯学習概論』 学文社 2016.1.20
中道 厚子・設樂 馨・大平 睦美 『生涯学習論 つなぎ広げる学びの循環』 学芸図書株式会社 2015.11.10
赤尾 勝己 『新しい生涯学習概論 後期近代社会に生きる私たちの学び』 ミネルヴァ書房 2012.4.10
田中 雅文・坂口 緑・柴田 彩千子・宮地 孝宣 『生涯学習 学びがつむぐ新しい社会』 学文社 2009.3.10

【講評】

<合格時(本レポート)の講評>
二つ目の設題はこれでよいです。前回指摘した内容が丁寧に述べられています。施設ごとに役割が違うので、目的に応じて活用することが求められます。
これで合格です。今後も精進して頑張ってください。

<初回提出時の講評>
設題①の「生涯学習支援のための図書館の果たす役割」については、テキストの7章「生涯学習支援における図書館の役割」を参考にすることですが、ここはこれでよいです。要点を押さえています。
設題②は、テキストの3章「生涯学習振興行政と社会教育行政」を参考にし、特に2項(1)「社会教育行政の基本的役割」と3項(1)「社会教育施設」を焦点にすることですが、ここではそれぞれの社会教育施設の役割について個別にもう少し詳しく述べてください。

【感想】

生涯学習概論はレポートの返却日数が早い&再提出になりやすいと言われる科目です。

講評も具体的でどこを直すべきか指摘いただくので、再提出でもすぐ合格しやすいと思います。

再提出後の講評では、応援のお言葉もあったので頑張ろうという気持ちになりました。

【返却日数】

1回目:4日 4/1提出・4/5返却
2回目:1日 4/14提出・4/15合格

筆者も返却されるのは早く(1回目:4日 2回目:1日)、初回では再提出となり、2回目で合格になりました。


※注意
レポートの丸写しはしないようにお願いいたします。
皆さんの参考になれば幸いです。

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