近畿大学 図書館司書 『図書館情報技術論』合格レポート 2024年4月入学
【設題】
レポート執筆者が考える「図書館を最大限に活用するため」または「図書館の利用を円滑にするため」という観点で着目した情報技術について、それらへの理解を深めた上で自身の意見を論じてください。
【レポート】(2,000字)
1.はじめに
情報技術が発展した現代では、大量の情報があふれており、膨大な情報から正しい情報や信頼できる情報を探し出すことが重要である。信頼性の高い資料や情報が集められている図書館では、あらゆる人々が必要な情報や資料を入手し、利用できるようにするためにも図書館サービスの提供と資料管理において情報通信技術の導入が欠かせなくなっている。
利用者が図書館を最大限に利用するためには、あらゆる利用者が求める資料を探索し、適切な資料を必要な時に入手できることと利用者が使いやすいと感じられる環境が両立することによって実現できると考えられる。
2.図書館および図書館サービスにおける情報技術
利用者が図書館を最大限に利用するために必要な情報技術として、自動書庫、ICタグ、OPAC、自動貸出機、デジタルレファレンス、電子書籍の6つを挙げる。
(1)自動書庫
自動書庫は、数十冊が入るコンテナで編成され、自動書庫システムで図書の所在を管理している。OPAC上の出庫指示によって指示された図書が入ったコンテナが出納ステーションに運ばれ、その中から該当図書を取り出す。人が通るスペースの短縮による収容数増加と図書を探し出す時間の短縮により、利用者が適切な資料を得る助けとなると考えられる。
(2)ICタグ
ICタグとは、各図書に物体識別用のICチップを付けることで、同時にRFIDリーダーで複数冊の図書を読み込むことができる。貸出や返却作業または自動貸出の実現などによって効率化され、利用者が迅速に簡単に資料を借りやすくなると考えられる。
(3)WebOPAC
OPACは広く普及しており、蔵書を検索する際にキーワードを入力することで、書誌データをもとに求めている資料を探し出すことができる。特にインターネット上で検索できるWebOPACは、スマートフォンなどの電子媒体が普及した現代でよく利用され、場所や時間にとらわれずに資料を探索することができる。
(4)自動貸出機
自動貸出機は図書館職員を介さずに、借りたい図書と利用者カードを機械で読み込むことで図書を借りられるというものである。借りた図書の内容を知られたくない利用者でも、機械の利用によって心理的に借りやすくなり、希望の資料を入手することができる。
(5)デジタルレファレンス
デジタルレファレンスは、インターネット上のコミュニケーション技術を通して、利用者が求める質問・調査研究を援助し、質問に対する回答を行うサービスである。メールやチャットの他、近年ではAIチャットボットなども活用されている。これらは対面でのレファレンスサービスを利用することが憚られるという利用者も気軽に利用しやすい。
(6)電子書籍
電子書籍は図書館に行かずに、オンライン上で借りて閲覧することができる。特に2020年の新型コロナウイルス感染症の感染拡大による図書館の休館をきっかけに導入する図書館が増加し、普及が進んできている。必要な資料を時間や場所にとらわれずに利用することができる。
3.XX市立図書館の情報技術導入の現状について
前の章で述べたもののうち、すでに導入されているものは、自動書庫、OPAC、WebOPAC、デジタルレファレンス、電子書籍である。
デジタルレファレンス、電子書籍に関連するものとして202X年X月、XX市立図書館では全国初のXXXXが導入された。~~~~。
電子書籍については202X年X月に電子書籍サービスを開始した。図書館利用者番号(図書館カード)をもっている利用者であれば、2点まで2週間借りることが可能である。図書館に直接行かなくても場所や時間とらわれずに資料を借りられ、貸出期限が過ぎると自動的に返却されるため、返却忘れを気にせずに利用できことから、気楽に利用しやすいと考えられる。
4.おわりに
日々進歩する情報技術と急激に変化する社会によって、図書館における情報技術を利用した図書館サービスも変化し続けている。情報技術導入により資料の探索や入手のしやすさ、時間や場所に制限なくアクセスできることが増え、利用者が求める資料の活用によって図書館利用の最適化が可能であると考える。一方で、情報技術使いこなせる人とそうでない人の格差を生まないよう、導入した新たなサービスの紹介と利用案内などの利用者教育もより一層重要である。そのため、図書館に携わる者は利用者の視点を忘れずに情報技術を学び続け、導入と普及を促すことも重要である。
【参考文献】
金沢みどり 『図書館サービス概論』 学文社 2022.12.10
山本順一(監修)、塩崎亮、今井福司、河島茂生 『図書館情報技術論 図書館を駆使する情報装置 第2版』 ミネルヴァ書房 2022.5.15
U-PARL 『図書館がつなぐアジアの知』 東京大学出版会 2020.3.31
【講評】
<合格時(本レポート)の講評>
1章にて定義づけがされ、4章の内容により2、3章にも関連性が明確であるため設題に対する回答として見受けられます。
<初回提出時の講評>
「一部再提出」または「全体修正」が必要です。
参考文献欄4~6点目、WEB上のページを挙げる場合は書籍と同様「情報の発信者」「情報の責任元」「情報の在処」がわかるようにそれぞれページの管理者、責任者、URLを必ず記載してください。参考文献として認められない場合があります。
そして2章内、異なる話題や情報技術ごとに節や項を設けるとより伝わりやすくなります。
またレポート・論文においては説明の無い略称や俗称は使用しないでください。
内容に関しては設題にある「図書館を最大限に活用すること」や「図書館の利用を円滑にすること」とはどういうことかという定義づけがされていません。
そのため今回提出された内容の大半は挙げられた情報技術のメリットを詳しく紹介したものにとどまっています。
挙げられた情報技術のどの部分がどのように上記の定義に結びついているかを明確にし、「図書館を最大限に活用するため」または「図書館の利用を円滑にするため」という観点との関連性を示してください。
【感想】
このレポートでは再提出となってしまいましたが、講評をもとに丁寧すぎるくらいの気持ちで書きました。
また、他の方のブログ等で書かれている通り、定義づけができているかどうかを重要視されるので、意識して書くと再提出にならないのかなと感じました。
【返却日数】
1回目:42日 4/1提出・5/13返却
2回目:68日 5/15提出・7/22合格
注意点として、このレポートは返却日数がかかるので、できるだけ早めに出しておいた方が良いです!!
※注意
レポートの丸写しはしないようにお願いいたします。
皆さんの参考になれば幸いです。