障害者支援におけるグレーな支援、虐待について

支援をしている中で虐待が起こりやすいシチュエーションてどんな時だと思いますか?
食事、着替え、トイレ誘導、入浴など利用者を動かさないといけない時、目に見えて結果がわかる時に多くなるかと思います。
そこには食事を食べさせられない職員はダメな職員、着替えの介助に時間のかかる職員はダメな職員、トイレに連れていけない職員はダメな職員、お風呂に入れられない職員はダメな職員と評価されてしまうという背景があります。
そういった評価の背景には利用者の気持ちや権利は反映されていません。
なぜ食事を食べたくないのか、トイレ誘導を拒否するのか、着替えたくないのか、お風呂に入りたくないのか、そういったことを鑑みた時、本当にそれらをスムーズに遂行できる職員がいい職員と言えるでしょうか。
よく見るシチュエーションとしてトイレ誘導の際、「時間なのでトイレ行きますよ」と声をかけ、脇を抱えトイレに連れていく、という場面があります。確かに支援の前に声はかけられていて丁寧にも見えますがこれは誘導ではなく連行です。誘導とは誘い導く事です。連行とは本人の意思に関わらず連れていく事です。普段行われているトイレ誘導はちゃんと利用者の意思が確認されていますか?一方的になっていませんか?トイレに連れていくことが誘導なのではなくてトイレに行ってもらうことが誘導です。
昔は障害者入所施設は更生施設と呼ばれていました。今は支援施設と呼ばれています。
支援員の仕事は出来ないことを出来るようにするために訓練させることではありません。その人の能力はそのままに、どう質の高い生活をしてもらうかです。
そこを間違えてしまうと、気が付かないうちに真面目な職員ほどグレーな支援、虐待に近づいて行ってしまいます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?