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『俺ガイル』と高校時代に置いてきた青春は幻想

  他人の人生なんて蚊帳の外ならエンターテイメントとして消費してもいいやと思っていて、私のこれから執筆するお話も誰かにエンターテイメントとして消費してもらえたら供養されると思っている。

  多分幻想だし、もう6年半〜7年経とうとしているので、フィクションなのかノンフィクションなのか曖昧だ。

  まず、タイトルにも入っている『俺ガイル』こと小学館のガガガ文庫というレーベルから出版されているライトノベル『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(著:渡航、イラスト:ぽんかん⑧)』を軽くご紹介と宣伝。

https://www.amazon.co.jp/やはり俺の青春ラブコメはまちがっている%E3%80%82-ガガガ文庫-渡-航/dp/4094512624/ref=mp_s_a_1_15?_encoding=UTF8&imageClass=hi-res&keywords=やはり俺の青春ラブコメはまちがっている&phoneCarrier=wifi&phoneType=iPhone&qid=1573627047&rd=1&sr=8-15&view=Touch9

   もうすぐ最終巻も出るし、来年の春にはアニメの3期も放送決定している。

https://www.amazon.co.jp/やはり俺の青春ラブコメはまちがっている%E3%80%82-14-ガガガ文庫-渡-航/dp/4094517812/ref=mp_s_a_1_3?_encoding=UTF8&imageClass=hi-res&keywords=やはり俺の青春ラブコメはまちがっている&phoneCarrier=wifi&phoneType=iPhone&qid=1573540498&rd=1&sprefix=やはり&sr=8-3&view=Touch9

   この作品と出会ったのは高校時代。初恋の人が好きだった作品で、1期のアニメ化を機にオススメされて見始めた。学校の図書館に原作を購入依頼し、少し読んだけど最後まで読めなかった。

  当時は今ほど特別なアニメでもなかった。他のアニメと同様に1クール終わればそれで終わりのアニメだった。ラジオもそれっきり、出演している声優も好きな声優という訳でもなく沢山いる声優の中の一人ひとりだと思っていた。

  しかし、高校も大学も卒業して社会人になった私にとって、こんなにも息苦しくなるような、そして愛おしいと思うような作品になるとは想像もしていなかった。

 

  初恋の人(以下、彼)に出会ったのは、7年前の12月。某SNSで仲良くなった。そして、関西に住んでいた私は彼のいる関東へ行った。

  彼と会い、彼の家に行ってファーストキスや手を繋いだり等の初めてな経験をした。そんなこと、10歳以上も年上な彼にとって大したことなかっただろう。でも、私にとっては特別なことだった。所謂ネット恋愛。

  地元に帰った後も彼のことばかりだったと思う。毎朝学校の授業が始まる前にモーニングコールをし、帰宅して夜になれば彼の某放送を聴いたりとかしてた。バレンタインデーには幼稚園ぶりに男性にチョコを贈った。

  でも、彼は私のことを好きじゃないのは気づいていた。だから好きになってもらいたくて15kg減量のダイエットしたり、無茶なことをしていた。

  関東の大学に行って、将来就きたい職業に就いて、結婚して、子供を生んで幸せになるんだと思っていたけど。やっぱりそうはならないよね。ダイエットしようが、どんなに大好きであってもフラれた。何て言われたかは多分記憶違いなので書かない。

  今となってはそれで良かったと思う。別の人と付き合ってもう5年になるしね。それで幸せなのだ。

  幼少期に両親が離婚し、それ以来会えていなかった父親に会うための手段を彼は教えてくれたり、他にもお世話になったと思う。あと、俺ガイルを知るきっかけになってくれたし。

 社会人になったら原作を大人買いしようと学生の頃から決めていたので、大人買いして仕事の合間に読んだりしていた。上記の画像が大人買いした時に撮影したもの。


   そんなこんなで俺ガイルとかけ離れた成仏しない思い出話をしてしまったが、それはただの前置きに過ぎない。ここからが本題の先日開催された『俺ガイル Fes.2019』に参加した話。

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 『俺ガイル Fes.2019』はアニメのイベントであり、アニメの出演者である声優やOPを歌っていたアーティストが出演し、主題歌やキャラソンの生歌の披露、アニメに関するクイズ大会、朗読などてんこ盛りの内容であった。

 昼の部と夜の部の二部構成のイベントであったが、なかなかチケットが取れなかった。何回も応募しては落選したが、最後の応募で奇跡的にチケットが取れた。2枚。

 きっと誰とでも楽しめるイベントだった。でも、俺ガイルを知るきっかけとなってくれた彼と行くことにした。

 彼はいつの頃からか原作を読む手が止まっていたらしく、アニメも4年が経ってしまっていた。だからかイベント後に「そういえばこういう作品だったなぁ」と一言漏らした。

 作者の渡航先生が壇上に上がっためちゃくちゃ楽しんでいて微笑ましかったけど、イベント終了前にこうコメントを残した(少し曖昧)。

「(ファンの中には)高校を卒業して、大学を卒業した人もいるでしょう」

 まさしく、渡航先生の言った人に該当した。アニメから入り、初めて原作を手に取ったのは高校生だった私は、アニメ2期ではとっくに大学生になっていて、原作の完結とアニメの3期ではとっくに社会人になっていてろくな大人になれやしなかった。

 ヒロインのひとり・由比ガ浜結衣役の東山奈央さんも時間の経過について話されていた。そのおかげで高校時代から今までのことを考えるようになった。

 ずっと同じコンテンツを応援していると、時間の流れはとても残酷でそれでいて愛おしいと思う。

 たまたま私の青春時代に寄り添ってくれたのが『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』だったというだけの話だ。

 アニメ・『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』放送前くらいに彼に恋をし、放送終了後に高校を卒業したし、彼にフラれた。

 アニメ・『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』放送開始時には大学生になっていて、他の人の彼女になっていた。

 数年ぶりに再会した彼に「きれいになったね」と言われて、*烏丸千歳のように内心「勝ったな、ガハハ」とほくそ笑んだ。「荷物を持っててあげる」と差し出された手に触れてしまっても高校時代のようにドキドキしなくて、その晩夜行バスの中で泣いた。

 『俺ガイル Fes.2019』が開催された時には初めて社会人として働いた職場を離れた。

 原作・『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』 最終巻が発売される頃はまだまだ転職活動中で、アニメ・『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完』が放送される頃にはとっくに社会人3年目の春。転職先が決まってバリバリ働いていると思いたい。

 私にとって『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』 とは、傷口に塩を塗って、その上から酢をぶっかけ、更に唐辛子をすりこむような作品。でも、塩も酢も唐辛子も大好きで、嫌いなのは傷口だけ。『俺ガイル Fes.2019』はその傷口をがばがば開けるようなイベントだった。

 まあ、青春なんて幻想だし、誰かにエンタテイメントとして消費(供養)されて、早く成仏してくれることを祈るばかりだ。

 あと、まだ最終巻を読めない現在の私は奉仕部にとってのハッピーエンドも祈っている。


*烏丸千歳……『ガーリッシュナンバー』の主人公

https://www.amazon.co.jp/小説-ガーリッシュ-ナンバー-1-渡/dp/404892236X/ref=pd_aw_fbt_14_img_3/355-6206088-7826659?_encoding=UTF8&pd_rd_i=404892236X&pd_rd_r=4ec5f808-d725-4178-b5c6-109f6763751d&pd_rd_w=IkAZs&pd_rd_wg=ulzXs&pf_rd_p=ba46d7ec-af58-4752-9d92-815eccf8314e&pf_rd_r=2H72GWF3EQE9ZRY4VY5G&psc=1&refRID=2H72GWF3EQE9ZRY4VY5G