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【エッセイ】消防設備点検と掃除と私。

「そういえば今週末、消防設備点検だからね。」
帰宅直後、母から急に告げられた衝撃の事実。でも、次に続く言葉は簡単に想像できた。
「部屋の掃除、しておきなさいよ。」
ため息を吐く私を横目に、母は無情に告げた。

何を隠そう、私は掃除が苦手だ。
生粋の面倒くさがりで、小さい頃から「使ったものを元の場所に置く」という、言葉にすると単純な作業がどうしてもできない。どうしても、「どうせあとでまた使うじゃん?」と思ってしまうのだ。

あまりにも片付けが苦手な私を心配した母は、小学校の保護者面談で当時の担任の先生に「娘が片付けができなくて困っているんです」と相談していたらしい。
そのときの先生は「大人になれば自然とできるようになりますよ」と母に伝えたそうだ。

ごめんなさい、先生。残念ながらその予想は外れてしまいました。

とっくに成人を迎えた私はもうそこそこな大人なのに、自分の部屋の机の上にはアルバイト先で使っていたテキストやSPIの問題集、なんなら赤本なんかも山のように積み上がっていて、パソコンを開くのがやっとのスペースしかない。引き出しには使わなくなったプリントや付箋が詰まっていて、うまくやらないと何かに引っかかってしまって開かない。床には普段使いしているリュックにトート、手持ちの小さいバッグがいくつか散乱していて、かろうじて足の踏み場はあるけれど、たまに踏んづける。

年に2回の消防設備点検では、業者の方が各部屋に入って消防設備を点検してくれる。もちろん、私の部屋にも消防設備がついている。

そう。つまり、年に2回はこの部屋に人を招き入れなければならないのだ。

とはいえ、さすがにこのお世辞にもキレイとはいえない部屋を人に見せるのはちょっと嫌だ。

というわけで、半年ぶりに、掃除します。


って、うまくいったらよかったんだけど。
掃除してると、いろいろ懐かしいものが出てきたり、手しか動かさないから頭でいろいろ考えたりしてしまって。
掃除の手が止まって、パソコンを開いて、今、このnoteを書いています。
さて、週末までに掃除は終わるのでしょうか。

原石、頑張ります。

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