映画「 正体 」 感想
映画「正体」
山田孝之さんの微動だにしない表情と佇まいが良い
物語はサスペンスが3でヒューマンドラマが7という印象でした。ストーリーは予告の通り、一人の青年の逃亡劇だけれど、常に追われるわけではないので、そこまでのハラハラもないし大どんでん返しの驚きがあるわけでもない。中核になっているのは人間ドラマ。人と人との会話、瞳と瞳の交わし合い、そしてその暗闇の中にある一筋の光のような優しさが、彼を立たせ続けてくれていたんだなと思うと、心があたたかくなる。
ところどころの違和感や思ってたよりも人間の醜悪さがそんなになかったので、ご都合展開ではあったけどエンタメ作品なのでまぁ胸糞展開はない方がいいのかもしれないですね。ラストの無音には、ちょっとスッキリ感が半減してしまいました。あの言葉を聞きたかったのは主人公もだけど、鑑賞者もだったんだけどなと、はっきり耳にしたかった。
主演の横浜流星さんはもちろんのこと、演者さんたちみなさん素晴らしかった。特に山田孝之さんの真贋を見極めようとする目力と語る背中と一つ一つ重みを感じるような言葉がとてもよかった。キャラクターとして十一人の賊軍もよかったけど、こちらの山田孝之さんの方がもっと好きかも。あと森本慎太郎さんも好きな演者さん。もっと彼のいろんなキャラクターや映画(ドラマ)を観てみたい。だが情が最高だったので。
主題歌のヨルシカさんも癒してくれる優しい曲で良い余韻に浸りました。
2024年11月29日(金) 鑑賞