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サステナブルライフは一点物の傘から始めてみる【本当のエコとは?4.5/5】

”本当のエコとは?"という疑問の元、私ができる地球に優しい理想のエコアクションは何なのか?を探っている中で、実は服と家具は、個人消費において既に高いレベルでリサイクルシステムが日常に落とし込まれていることに気づいた。

なのでこの記事では、服と家具に絞って地球を傷つけない形での遊びや経済活動などゼロウェイスト(無駄がない)の一歩先を提案していく。

無駄をなくすには資源(集団)回収に出すという模範解答

まず、服と家具の廃棄の現状について説明しよう。衣料品は年間で100万トン捨てられている。これは、2018年度の日本の廃棄物処理4289万トンの2.33%、東京都で見てみると布類は、可燃ゴミの5.69%である。

もしも燃やすゴミにせず、リサイクル可能な資源回収、集団回収へ出しているなら、それから繊維業者に回収された服は、選別を経てリユース可能な中古衣類が約6割(これらは国内の寄付団体などを通じて、海外へ輸出されることが多い)、ウエスが2割(主に工場や工事現場などで利用)、反毛が1.5割程度で、残りが廃棄されるためその率はさらに下がる。

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参考:2013年度中古衣類を対象とした海外でのリユース実態調査 - 環境省

大型家具や家電4品については、ゴミとして処理すると有害物質が発生するものがあるためリサイクル法があり、それに遵守した形での廃棄によってエアコンで92%、テレビで88%、冷蔵庫で80%、洗濯機・乾燥機で90%再商品化が可能だ。その他のものも粗大ゴミはリユース可能なものは分類された後、可燃、非可燃ゴミとして処理されるサイクルが構築されている。

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参考:2018年度家電リサイクル法に基づくリサイクルの実施状況等について-経済産業省

すでにサイクルが構築されているとはいえ、決して完璧ではない。現在、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で海外への輸出は制限され、送り出す場所がないが、家庭からの回収数は増えているなど日々新たな問題が立ち上がっている。

そうした中で、民間でも付加価値のある様々なサービスを展開している。セカンドハンドのショップやヤフオク、メルカリなどのフリマアプリへの出店など、すでに日常に根付いているものも多い。

世界で最も傘を捨てている国で、一点物を買う

いきなり服でも家具でもない話から入ってしまうが、サステナビリティの根本は一つ一つの物を大切にすることから始まる。その対極にあるのはビニール傘だ。安価な大量生産品で、よく忘れられ、捨てられている。日本で消費される傘は年間約1.3億本(うち6000万本がビニール傘)で世界第一位の消費量であり、そのほとんどは非可燃の埋立ゴミになっている。ビニール傘を定期的に購入することは「環境に無頓着」を象徴するアクションと言えるだろう。気持ちを切り替えるには、最も効果的なアイテムだ。

また、傘に限らず1点物は大抵修繕してもらえる。リデュース、リユースの観点からも大切なことである。下記で、1点物傘を買えるおすすめ店を簡単に紹介しよう。

<おすすめ1点もの購入店>

1. コシラエル(清澄白河)

石原さとみが愛用していることで話題となった、日傘作家のひがしちかによる一点物の傘店。手描きの絵や刺繍を施した日傘、オリジナルプリントの雨傘など、アート作品のような美しく個性あふれるレイングッズが揃う。修繕やクリーニングも可能だ。

https://store.cocilaelle.com/

2. 小宮商店(東日本橋)

1930年創業の老舗洋傘メーカー店。伝統の手仕事を大切にした一生ものの傘を提供している。和模様の傘や柿渋染めの日傘など、伝統的な工法や素材にこだわった上品なデザインのレイングッズが並ぶ。また、オーガニックコットンを100%使用したものなどサステナビリティに配慮したものも販売している。

https://travel.navitime.com/ja/area/jp/guide/NTJmat0351/

想い出を着る/置く

「母の肩身の時計」はきっと修理して使うだろう。娘がいるなら「祖母の肩身の時計」として取っておくかもしれない。発想は1点物の傘と同じなのだが、ストーリーの宿ったものは、大切に使うし捨てられないという観点に重きをおいた品を身の周りに配することで、サステナビリティと人生の豊かさを振り返る機会にするのはいかがだろう。

<おすすめ想い出付け店>

1.nutte(ヌッテ)

例えば裁縫のクラウドソーシングができるnutte(ヌッテ)では、プロの職人に服飾や小物など自分だけの一着を依頼することができる。好きなデザインや生地、キャラクターのみならず、想い出のものをリメイクしたり、場所や生き物、テーマなどを入れ込むことが自在にできる。

2. Maito Design Works 蔵前本店

日本の作り手と天然素材や草木染めにこだわった商品を提供しているショップ。ここでは、毎月草木染めのワークショップを開催している。例えタオルだとしても、環境に配慮した製法を学び、かつ想い出に残る体験を経て価値ある一枚に変わる。家で休日に素材から探しに公園にでかけたり、誰かと一緒に染めたりするのも、ウェルビーイングなとても良い時間の過ごし方。

https://maitokomuro.com/

3. upcycle-interior(オンラインのみ)

古くなった物や使わなくなった物を、他の物との組み合わせやデザインの力によって新しい価値を生み出すリサイクルとは異なる新たな活動アップサイクル。そのアップサイクル製品のみをセレクトしたショップだ。学校にあったもの、浜辺に流れ着いてるのを目にするガラス瓶など廃棄品が、机、椅子、照明、棚や小物に遊び心満点で蘇っている。

https://www.upcycle-interior.work/

もっとファッションのサステナビリティを追求したいなら、IDEAS FOR GOODのページに50個まとまっているアクションプランがあるのでそちらを見てみよう。サステナビリティをベースとしたサーキュラーエコノミー(循環型経済)などを提唱していて、必見のメディア。


ゼロウェイストやフェアトレードなどの環境や社会にとって良い活動はもちろん大切だが、欠かせないのは「思い」が乗っていること。そのベストは、自分の周りは「好きな物」が囲んでいてハッピーな状態でいる事だろう。「一つ一つの物を通じて自分も社会もハッピーになる」という事が、ゼロウェイスト(無駄がない)の一歩先にあるサステナブルライフの大きな指針だろう。

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