好きな店を増やすために、声をあげる意味【本当のエコとは?5/5】

エコアクションは声を上げ続ける事の方がひょっとすると、自分の消費活動を変えるよりも大きな意味があるかもしれない。

<イントロダクション>
プラスチックレジ袋が2020年7月1日に有料化したが、これは環境保全に直接的な影響をほとんど与えない(前述)。だが、この流れによってエコアクションを加速していくことが有料化した意味なのだ。では、個人目線でどんなエコアクションができるのか?5回に渡って紹介していく

<本当のエコとは? 全体目次>
第1回 【イントロダクション】レジ袋有料化の波に乗ってみよう
第2回 【インフラ・エネルギー回】日本の場合、電気自動車と電車じゃ比較にならない理由
第3回 【フードロス回】残さず食べるを現実にする3つの方法
第4回 【プラスチック回】プラスチックエコ活動は個人から始めた方がいい3つの理由
第4.5回 【服・家具回】サステナブルライフは一点物の傘から始めてみる
第5回 【選別・情報発信回】好きな店を増やすために、声をあげる意味

日本のエネルギー排出量の一位は製造業などの企業・事業所他部門が65.2%。フードロス廃棄量の54%は事業系、廃プラスチックは部門別統計が存在しないが、ゴミとして回収されたプラスチック類のうち容器包装は70%程に当たる。消費者に届かず廃棄される衣服は年間10億枚(全体の25%程)。

いずれも決して無視できない数字である。そして、こうした数字を改善する企業のエコアクションを促すのは、客である私達の役目だ。企業とは客に選ばれることでしか存在できない組織だ。選ばれたいと思わせる大きな要素に、循環型ビジネスが含まれるよう私達が導いていく必要がある。

「エコな選択肢を選ぶ」というアクションは、先の4回でも何度か告げてきたことだ。買う段階で考えるべきことは無数にある。

ここでは、注意すべき点と選んでほしい店などを紹介していく。

<スーパーマーケット・コンビニ編>

トレー回収箱も置いていないスーパーは、リサイクルに無関心な企業かもしれない。駅近の小型店で置くスペースがない店もあるが、青果物や弁当などをやたらとラップインしているような店は、循環型とは別の要素を優先しているケースが多い。最寄りのお気に入りなら、ぜひ「リサイクルしたい」と意見書などを書いてみよう。
また、大手コンビニ3社はいずれも衛生管理と利益第一であり、フードロスは二の次だが、ナチュラルローソンが2020年8月から洗剤の量り売りを直営店2店舗で始めた。非常に大きなウェイトを占めている業態なので、これからもチェックしていく。

・ライフコーポレーションのリサイクル事例

全国展開しているライフコーポレーションではペットボトル、牛乳パック、トレーの回収はもちろん、廃油やスチール缶、発砲スチロールまで回収可能だ。また、自社工場で発生する生ゴミの食品リサイクルシステムも積極的に行なっている。

<外食編>

量が自慢の老舗では、実は少なめを受け付けず、残っても持ち帰りさせてくれない廃棄大国がいまだにある。衛生上や仕入れの問題である事はもちろん理解しているが、フードロスの優先度が低いという事なので、その店が大好きならば嘆願して意識を変えてもらうのも一つの方法だ。

・大井町ブルドッグ

TVでも度々紹介される、大盛で有名な大井町にある老舗洋食店。店長とママのキャラクターが何より魅力だが、人の顔ほどもあるオムライスとメンチカツが名物だ。奇をてらわない懐かしの味という感じだが、うれしいのは食べ切れないと心良く「お土産」にしてくれるところ。挑戦してもよいし、持ち帰って夕食や朝食にするのも優雅で良いだろう。

<エネルギー編>

引越しをした時、不動産屋の言いなりで電気やガス会社を契約してないだろうか。東京電力は、現在メキメキ再生可能エネルギーに力を入れており、いずれ問題のない水準に達すると思われるが、2020年11月現在では化石燃料発電にその多くを頼っている。同じ金額なら再生可能エネルギー発電に特化した企業に変えてみても良いかもしれない。

グリーナでんき
日本で初めて再生可能エネルギー100%プランを導入した企業。価格的にも安定している。どこもそうだが「グリーン電力証書」という未来への投資を込みで100%なので、今後も電力競争に注目していきたい。

<アパレル編>

5年程前に問題となった廃棄の急先鋒だったファストファッションだが、ユニクロを運営するファーストリテイリングを見ても、ダウンの回収、全品リサイクル活動、商品パッケージやバッグの省資材化と格段の進化を遂げている。2019年度以降の新店のほとんどは、循環型の仕組みに強い関心を持っているので安心して行ってみよう。

・Firsthand

ミヤシタパークの中に入居しているFashion – Sustainable – Art をテーマにしたコンセプトストア。新宮下公園は、グリーンジェントリフィケーションで話題になっていたが、日本における都市商業型緑地モデルで最も上手くいっている一つでもある。サステナビリティや循環型ビジネスのテナントが多く出店しているのも特徴だ。中でもここ、ファーストエイドはオーガニックウール100%のサスティナブルなニットベストや、アップサイクルのデニムなど、クリエイティビティの高いエコな商品が数多く並んでいる。サステナブルアートのポップアップも行なっており、感度の高いエコロジーな商品や企画に触れることができるだろう。

http://firsthand.jp/

菅政権は柱の一つにグリーン化を掲げ、2050年までに温室効果ガスを実質0を所信表明で宣言した。各産業で、これから大きな展開期を迎えるだろう。そうした中で私達の意識も大きく変わっていくことが求められているのかもしれない。



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