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2020年8月に読んだ本を振り返る

この記事では、自分が8月に読んだ本を振り返って、読んでよかったと思える本をご紹介します。本を読みっぱなしにせず、自分の考えを整理することを目的に、記事を書いていきます。

8月に読んだ本

8月に読んだ本は15冊(小説が1冊、それ以外が14冊)でした。終戦記念日の前後に、太平洋戦争を描いた本2冊(「昭和史」、「日本のいちばん長い日」)を読めたのが今月の収穫ですね。

FireShot Capture 035 - shikadaさんの8月読書まとめ - 読書メーター - bookmeter.com

月の下旬は、盲腸による入院騒ぎでろくに本が読めなかったですが、入院したことで、下手な本を読むより学ぶものがあったので結果オーライです。

尺の都合でこの記事では紹介できないのですが、8月も豊作で、インパクトのある本が多かったです。落合陽一さん「日本再興戦略」は、その知識と思考の質量に圧倒されましたし、「炎の中の図書館 110万冊を焼いた大火」を読んで図書館の果たす役割について考えなおさせられました。

読んで良かった本3冊

8月に読んだ本のなかから、3冊ご紹介します。

1 日本のいちばん長い日

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1945年8月14日から15日までの24時間を描き出すノンフィクションです。昭和の語り部、半藤一利さんが綿密な取材と調査に基づいて執筆しています。

1945年8月15日正午、玉音放送が流れ、戦争は終わりました。その放送に至るまでの24時間、教科書には載っていない暗闘があったことを本書は教えてくれます。

終戦に反対し、徹底抗戦を主張する青年将校たちは、宮城を占拠し、玉音放送のレコードを奪取しようとしました。当時の鈴木首相と阿南陸相の腹芸や、昭和天皇の聖断もあって、辛くも終戦に持ち込めたものの、終戦にいたるまでの緊迫感がひしひしと伝わってきます。歴史にイフはありませんが、一歩間違って徹底抗戦派の作戦が成功していたら、終戦は遠のき、戦争はずるずると長引いたのではないか、と思わされる内容でした。

「国を守る」目的は同じでも、そのための手段は終戦であると考える人と、徹底抗戦であると考える人がいました。日本のために、との純粋な思考のぶつかり合い、この濃密な人間ドラマが作り話ではなく、ノンフィクションだということが、歴史の面白さだと思います。同時に、面白いだけではすまされない日本の過去である、とも感じます。

2 目の見えない人は世界をどう見ているのか

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目の見えない人が世界をどう見ているか、を言語化した一冊です。はじめて知ることが多い、興味深い読書になりました。以下、箇条書きで。

・目の見えない人の「見る」能力は、決して見える人から視覚能力を引き算したものではなく、見えない人独自の見方をしている。

たとえば、見える人は、視覚した三次元の情報を二次元化する。富士山はてっぺんが欠けた三角形、月は丸い円として知覚する。富士山そのものは立体のはずなのに、平面として知覚する。これは絵画など、文化的なフィルタも影響している。目が見える人は、三次元のものを二次元として捉えることに慣れてしまっている。

逆に見えない人は、三次元のものを三次元のままに理解することができる。富士山の例で言えば、富士山を俯瞰して、三次元の円錐として把握する。また立体の正面や裏面という概念もない。

・見えない人が点字を読むとき、脳の視覚皮質野=視覚を司る部分が活性化する。つまり見えない人の脳は、「見るための場所」で点字の情報処理を行っている。見えない人は視覚的な情報を処理する必要がなくなるため、視覚野が視覚以外の情報処理のために転用されるようになる。脳には可塑性があり、視覚情報がない状態に適応する可能性がある。

3 QRコードの奇跡

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QRコードの開発秘話です。QRコードがどんな経緯で開発され、そして世界標準となるまでの過程が語られています。日本で発明されたこうしたサービスは、しばしば国内でしか通用せずガラパゴス化してしまうことが少なくないそうですが、QRコードは日本発で国際標準になった稀有な例だそうです。

QRコードは、トヨタ自動車の「電装部」から独立したデンソーが開発しました。QRコードの源流はバーコードです。1方向にしか幅を持たず、バーの太さで情報を表現するバーコードと比較して、縦・横の2方向に幅を持つQRコードは、バーコードと比較して、保持できる情報量が多くなります。開発者の工夫と努力のおかげで、QRコードは高速で多量の情報を、コードが汚損しても読み取れるものになっています。

またQRコードは、特許を取ってライセンス料を取ることはせずに、標準化して無料開放したため、様々なサービスが派生しました。そのおかげで現代では、業務でもプライベートでも、QRコードが生活のいろんな場面を便利にしてくれていますね。

決済サービスなど、今や生活のあちこちで利用されているQRコードの開発の裏側が分かって、非常に興味深い一冊でした。

まとめ

8月に読んだ本を振り返りました。

毎月のように思っていますが、世の中には面白い本が星の数ほどありますね。自分が本を読んでいるのは、知的好奇心を満たすエンターテインメントとしての側面が強いです。義務感ではなく、面白い面白い言いながら読めるうちは、この趣味を続けたいと思います。

今回の記事は以上です。

最後までお読み頂きありがとうございました!