嘘でも良いから
あなたが抱いてくれなくなっていくつ夜を明かしただろうか。
「今日は疲れてるから」
それがあなたの常套句。
二人で横になる一つのベッド。あなたと二人でいるのに一人でいるみたい。
私に背中を向けて眠るから、私の両脇は冷たくなって、一緒にいるのに、一緒にいるはずなのに、私はまるで棺の中にいるみたい。
そばにいるのに孤独に落ちる。
そんな毎日。
私は一人で果てる事もできず、只々今日も枕だけを濡らすの。
一緒に暮らし始めて三年。私達はとても仲が良かったから、こんな事になるなんて思いもしなかった。
あなたが求めるから、私もそれに応えてきた。
いつしか、そんな夜が心地良くて、私からも求めはじめた。
太い血管を覗かせるあなたの細くてしなやかな腕。
優しく私に触れてくれるそんな時間に幸せを感じていたの。
首筋を優しく噛むと、あなたはいつも優しく顔を歪めていた目を閉じてた。
その瞬間は私があなたを支配しているような気持ちがして、優越感も感じていたの。
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