全部嘘なら良いのにね

「あと三十分だね」

 彼女は小さな笑顔を浮かべながら振り返って僕にそう言った。彼女と付き合い初めて色々な事があったけれど、今日程一分一秒を大切に過ごしたのは初めてかもしれない。
彼女は僕と違って活発で、いつもセーラー服のスカートを揺らしながら走っているような子だ。
何があっても前向きで、僕が挫けそうな時も何かに失敗してしまった時も持ち前の明るい笑顔と言葉で元気と勇気をくれた。
そんな僕達の世界は、三十分後消滅するらしい。

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短編の詩集です。

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