香りと共に……

 世界が静寂に包まれていく。窓から覗く外の世界は、刻一刻と生活の香りが消えていき、真っ暗で、それでいて本来の姿が浮き彫りになっていくようだった。
何本もの酒の力を借りて、今日この場所で寝り行く世界を見渡している俺は “ 成功者 “ と名乗っても良いのだろうか。
ウイスキーの入ったロックグラスの中で溶けた氷の転がる音が部屋に響く。
「ずっと窓の外見て何してるの?」

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短編の詩集です。

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