鏡を見て死を実感した話
「お前なんて死ねば良いのに」
ふと目に入ったそんな文字が、自分に向けられているようで茫然とした。
自分に向けられた言葉ではない事はわかっているはずなのだが、何だか今の自分の生き方を否定されているような気持ちになった。
「昔の方が綺麗だったよね」
自分に向けられた物でないとわかっているのに何故こんなにも心が擦り減るのだろう。今の自分は昔の自分と比べてどうなのだろう。歳を重ね、今私は昔の自分より綺麗だと言えるのだろうか。
「なんか太ったよね」
そう。その通りだ。私はあの頃より太ってしまった。痩せているから美しいかと問われたら、私はすぐに " NO " と答えるだろう。けれども、今の自分を昔の自分と比べると何だかあまりにも醜く感じてしまう。
" このままじゃいけないのかもしれない "
そう思った瞬間、吐き気が込み上げてきて胃の中身を全て吐き出してしまった。
身体から血が抜けていくような感覚。足元がフラついて、上下が一回転するような眩暈。
" 人は簡単に壊れます "
そんな一文をどこかで見た事がある気がするけれど、正にその通りだな。とこの時思ったのを鮮明に覚えている。
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1,118字
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短編の詩集です。
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