人の想いの在る処
私達はいつでも思っている。
この世界を変える力があればどれ程良いかと。
世界の理を全て変えられる程の力があれば良いと。
死に行く生命を生かし、消えた命を再び燃え上がらせる力があれば良いと。
ちっぽけな身体と存在の自分自身の脳内で、あらゆる世界を救い、生かし、そして醜いモノを殺す。蟻を潰すように、生ごみを砕くように、殺す。消す。
希望も理想も形を持っていないけれど、形がないからこそ無限に生成され消費されていく。
自分を消費して生き続けていくだけの私達に、もしも何かを作り出し、好きに消せる力があるのなら……そんな事ばかり考える。
例えば巷で流行っているゲームのように。人々を操るように。私がプレイヤーで、世界が仮想空間のように。
目で見えるものが全てではなく、見えない所にあるものを数値化できたとしたならば。
私の一掬いの感情で、全てを好きに出来たのならば。
こんな事を真剣に考えてしまう行為こそが異端なのかしら。
私は私の気持ちを、真っ直ぐに考えているだけなのに。
どこかで誰かが死ぬとして、私の意思でそれを変えられるとしたら、それはとてもとても楽しくて、有意義で、素敵な事だと思わない?
老いる事なく、一千年先、一万年先を見られるのならば、それはとてもとても美しいと思わない?
この世界をつまらないと思うのは、この世界に飽きてしまっているのは、この人生に後悔しているのは……きっとそういう事だと思うの。
もし世界が私の掌の上ならば……
そして私は今日も眠りにつく。
目が覚めたら私の望んだ世界が広がっていたら良いのに……なんて妄想を広げながら。
世界が終わるのは怖くない。ただこのまま消費して、消費されていく事が怖いのよ。
" 死にたくないな "
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短編の詩集です。
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