終わらない歌を叫ぶ君の心臓

　「死んだって何も変わらないよ！」

そんな声が空から降ってくる。
それは雨のような光のような不思議な輪郭を持っている。
そうだ、私一人死んだ所で何も変わりはしないのだろう。
もしかしたらニュースで少し取り上げられるかもしれない。
だけれど、

「何故死んでしまったのでしょう？」

なんて事も言われる事はなく、◯◯月◯◯日、◯◯県◯◯市の◯◯近辺で〜……と渡された原稿を読むアナウンサー。そしてそれを神妙な面持ちで聞くコメンテーター。
その場凌ぎの顔と口調を作り、次の瞬間には違うニュースで顔を綻ばせるのだ。
そして私が死んだ事が大きなニュースになったとしても、それを知る術が私にはないのだから面白くも面白くなくも何ともないのだろう。