私が息を吸って、私が息を吐いて。
私が呼吸して、誰かが呼吸をやめる。
ただ生きているだけでどこかで何かが消えていく。
私が人差し指で空へ円を描けば、そこに光彩が瞬いて空が私に問いかけてくる。
「あなたはどこへいきたいの?」
私は私の幸せのもとへ行きたいの。
幸せなんて言葉は簡単に口に出したり紙に書いたりは出来るけど、現実には遠くて、儚くて……
誰かが語る幸せも、誰かが綴った絵空事も、私には意味を成さない。
わかりあう事も、信じあう事も出来ないのがこの世界の理。
スクリーンに映し出される陳腐なラブストーリーも、口の中がイガイガしてきそうな小説も、どこかの誰かの欲望と羨望を混ぜこぜにして固めた醜いものだから。
私の幸せはどこにあるのかわからないけれど。探す意味もわからないけれど。
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920字
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