記憶

 晴れた朝。窓から差し込む太陽が僕の寝起きの眼に悪戯する。
焼けたパンの匂いがキッチンから手招きをしているようだ。
ベッドから重たい身体を起こして、顔を洗い鏡を覗き込む。
そこに映っている僕は本当に僕なのだろうか?
小鳥が囀る晴天……

「そういえばあの日の朝もこんな朝だったな……」

朝食が出来たとおばさんが僕を呼んでいる。

 「おはよう。おじさん、おばさん」

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