明日この世界は滅びるけれど
「明日にはもう終わるだろうってさ。地球」
「どこ情報? ニュース?」
「掲示板。ほら、未来人来てるってやつ」
「アニメの見過ぎなんだよ、そういうやつ」
「でもほら、最近やばいじゃん? 地球」
「まあな」
「だから明日本当に終わっちゃうかもなあ……」
そう言って彼女は煙草の紫煙を燻らせている。何年も前にやめた煙草を一昨日から急に吸い出したのは地球滅亡論に踊らされていたせいか。
「馬鹿馬鹿しい。それとその煙草臭えよ」
「アンタのはおじさんみたいな臭いのじゃない」
「なんだよ、おじさんみたいな臭いの煙草って」
いつもと変わらない夕暮れ時……八十年代のロックが流れるアパートの一室、少し開いた窓の隙間から生温い風が部屋に舞い込んで彼女の煙草の煙が目の前で消えた。
明日世界が終わる? いや、もうすぐ大嫌いな夏がくるだけだ。
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