リヴリーの退屈

　　やあ、私はリヴリー。
　この世界を観測しているモノさ。
　毎日が退屈で退屈で仕方がないんだ。
　どこかで何かが起きようとも、同じような事柄は今まで幾度もあったから、同じ映画を繰り返し見ているような気分さ。
　どこかの誰かが恋をして、結ばれたり失敗したり……新たな生命が生まれる事も、事件や事故が起こる事も、言ってしまえば新種の生命体が生まれる事だって、ちょっとやそっと変わった物事が起きたとしても私はもう何とも思わなくなってしまったのさ。
　この世界が生まれてから、植物や生命が繁殖し続けてはいつか絶滅して……そんな時間を何百、何千と見続けてきたから、私はもう何が起こったとしても吃驚する事なんてないのだよ。
　だから……ちょっと悪戯をしようと思ってね。
　長い時間生きていられる私だから、色々な物事を操れる私だから、たまには悪さもしたくなるじゃないか。
　人間が他者に嘘を吐くのと同じ感覚……なんじゃないだろうか？
　その頻度がもの凄く低いだけでさ。
　さて、今回私がやろうと思っているのは人間の再生。
　死んだ人間を蘇らせて、もう一度人生を過ごす事になったらどう行動するのか……それが気になってね。
　初めての事だけれど、きっとうまく行くだろう。
　ホラ、ちょうど三人の子供が今から死ぬよ。
　三人全員が死んだ後、別々の場所で生き返らせたら、彼らはどんな人生を今後歩んでいくんだろうね。
　久しぶりに楽しそうだ。