地下墓所へ潜った先は

 僕の旋律と君の旋律が混ざり合って、新たな快楽が生まれる。
 見慣れない真新しいオルガンを二人で奏でよう。
 君が犯した禁忌だって、こんなに愛おしいと思うのだから。
 繋がった粘膜で、二人のメロディを奏でていこうじゃないか。
 あの日綴った思想は、時が流れる度に変化して……気付けば僕と君のストーリーが動き出している。
 これから僕と君が溢れ出る。何処からともなく溢れ出る。
 心臓から腹へ……十字の愛撫を切れ。
 誰もが望んだ、誰も望まぬ、愛に溢れた、皮肉塗れの、猛毒を世界に。
 それが世界が喝采する程の最高の自慰行為でありますように。
 そしてそれが、僕の人生で最高の自殺未遂でありますように。

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952字
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