視界を遮る程に指を伸ばす木々が並ぶ暗闇に包まれた森の中、私は彷徨っていた。
今自分が置かれている場所も状況もわからないまま、只々闇雲に歩みを進め、光を求めるだけだ。
冷んやりとした空気で目を覚ました私の身にいったい何があったというのだろう。
身体に外傷もなく、衣服の乱れもなければ、家で晩酌をしていた時のままこの未知の森の中で目を覚ましたのだ。

「私は一体今何処にいるのだろうか」

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