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サスティナビリティからランニングを考える 5

 2015年には、国連総会で持続可能な17項目の開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)が採択された。それらは環境、貧困、平等、福祉、教育、エネルギー、平和、経済等の分野に及び、地球規模で持続可能性のための目標が設定されている。

 ランニング大会は、工夫を施すことでSDGsに貢献できる。例えば、四万十川ウルトラマラソンの開会の挨拶文には「四万十川の自然と清流を守ろうをキャッチフレーズに、四万十川流域の四万十市と四万十町が協力し、大会運営に取り組んできました」と書かれているように、河川流域の2つの自治体が環境保全を共有しながら大会を開催している。また、日本一美味しい男爵芋の産地として知られる北海道今金町では、町を流れる後志利別(しりべしとしべつ)川の水質保全を内外に呼びかけて、今年初めてマラニックを開催した。今金町の男爵芋が日本一美味しい3つの理由の一つが後志利別川の水質であり、過去18回にわたり日本一の清流に選出されている。町の男爵芋で高品質のポテトチップスを製品にしている東京の企業にもマラニックに関わって頂き、町との新たな関係性が生まれた。今後はその関係性を大切に育み、企業のCSR活動の一つに加えて頂く方向で提案していく予定もある。
 化石燃料に依存した文明には持続可能性がないように、外部からの資本に頼る大会・イベントは、そこからの投資や関係性が無くなれば終焉を迎える点では同じである。持続可能性によりマッチングしたマラニック大会とはどういうものなのか、今後も深く検討しつつ企画に携わっていきたい。

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