第12話 山口一郎の蜃気楼
サカナクション山口一郎のLIVE「蜃気楼」に行った。
約2年ぶりのステージだという。
ハラハラしながら独演を見守り、100回縄跳びで腹を抱えて笑い、ラストのMCで涙が溢れた。
感情が慌ただしく動いたけれど、最後は清々しい気持ちになった。
「蜃気楼」
それはまさに、山口一郎が過ごしてきたこの数年間そのものなのだと気づく。
ライブ後、楽屋に寄った。
山口一郎、そしてサカナクションのメンバーたちと顔を合わせたら、涙が込み上げてきた。
どれだけもどかしい時間を過ごしたのだろう。
僕たちは8年前、映画とその音楽を共に作っていた。
『バクマン。』という作品だ。
あの時の思い出を、記憶をたどりながら書いてみたいと思った。