― 手相漢方(4) ―
今回から具体的な疾患と掌紋診断についてお話します。今回は胃腸疾患について解説します。
漢方医学では、胃は食物や水分を受納・消化して小腸に降ろし、脾が栄養成分を吸収して気血を作り、全身を栄養すると考えています。このように、脾胃は気血を生み出す大切な臓器として認識されています。
掌紋医学では、主に生命線、感情線、健康線、胃と自律神経の対応区を診て、胃腸疾患を判断します。[図1]は胃腸に問題がある方によく見られる掌紋です。※画像をクリックすると拡大します
★生命線の起点が低く、生命線が囲む面積が小さい場合は生命力・免疫力・精力が弱いことを意味しています。胃腸虚弱で低血圧傾向があり、疲れやすい方が多く見られます。
★人差指と中指の間に入り込む感情線は、消化機能が弱いことを意味しています。これは感情・情緒と消化機能が関係しているためと思われます。
★切れ切れの健康線は、胃腸虚弱の体質を意味します。
★先のほうに〆(島)がある運命線は、掌紋医学では胃下垂を意味しています。手の形が細長い形の方は、胃下垂の可能性がより高くなります。
★良震交界線(生命線内側を上下に区切っている線)がはっきりしている方は、慢性胃炎や胃腸虚弱の体質を意味しています。
★生命線内側の上部は胃・自律神経区です。このエリアに♯(シャープ)、*(米)が見られる方は、慢性胃炎や胃潰瘍を意味しています。また、良震交界線がはっきりしている方はより可能性が高くなります。
★人差し指の下は胆嚢区です。
[図2]のように、このエリアに#(シャープ)、*(米)が見られる方は、胆嚢炎や胆石を意味しています。
※画像をクリックすると拡大します
上記のようなサインが掌上に見られたら、食事に気をつけて胃腸を整える必要があります。漢方薬は胃腸を丈夫にして、消化機能を高め、胃腸の炎症を改善する効果があります。
胃腸を丈夫にするためには六君子湯、参苓白朮散(ジンリョウビャクジュツサン)、人参湯などが効果的です。消化が悪いときは晶三仙、平胃散などが効果的です。お腹が冷えてぽちゃぽちゃ水音がするときは胃苓湯や苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)、真武湯などが効果敵です。胸焼けがひどいときは半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)や星火温胆湯などが効果的です。胃の痛みがひどいときは安中散や黄耆建中湯が効果的です。ストレスが強く神経質胃炎があるときは開気丸、紫胡桂枝湯などが効果的です。
上記のように体質に合わせた漢方薬を服用すると、胃腸虚弱の体質や慢性の胃炎も徐々に改善していきます。
掌紋診断をご希望の方は、漢方相談のご予約の際にお申し付けください。
⇊関連商品はこちら⇊
便秘、痔、胃、腸
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?