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何故ぼくにはPayPayを作れなかったのか。(新規事業のジレンマ)

こんにちは、工藤@ゆめみ取締役です。

今回は頭を整理するためだけのポエムです。

いやー、ありますよね。「思いついてたのに先にやられたー!キー!」ってやつ。いっぱいある。

PayPayとか何ペイとか何ペイとか、最近とにかく殖えてるじゃないですか。僕は2012年には思いついてましたからね。作った企画書見つからなかったけどね!!しかもAppleWatch発売したときにはすぐに、Watch対応まで企画書書いて、最終イメージまで描いてたんですよ!すごくないですか!!(こっちは企画ラフ見つかった)

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でもそう言ってる人って、一生できないし、やらない。

何故か。

【1.】妄想と実現の境界線

まず第一に、ビジネスアイデアって、誰でも思いついちゃうんですよ。この手段なんか、2000年台初頭からあるアイデアだったと思うんですよ(たぶん)。ちなみに、先に思いつく人は、さらに自分よりも何年も前からずっと、「思いついてたのに先にやられたー!キー!」って言い続けてた人だと思います。そしてこの「キー!」ずっと連鎖してるものなんじゃないでしょうか。「自分が思いつくことは、もっと先に誰かが思いつく」ので、仮想ライバルよりもっとたくさん考えて考えてアイデアを練らないといけない

しかも、クラウドでマネージドサービスが当たり前になって、PCが10万円で買えて、「思いついた事はだいたい実現できる」という時代になってしまった。つまりチャレンジやチャンスのハードルは、この10年でめちゃくちゃ下がったと思います。でもやらない。何故かというとフラッシュアイデアなだけで、自分はそれをやる会社に勤めていないから。ただそれだけの事を物理的な理由として思考・行動しない。

【2.】スピードと企業のデカさ

思いついたサービスをやるぞ!と決めて1を乗り越えたとします。転職でも、独立でも何でもいい。
一般的に新しいサービス、特にモバイルインターネットは、
ⅰ. スタートアップ・ベンチャーが新しい価値を作り市場が発生する
ⅱ.投資家が集まってきて市場が大きくなっていく
ⅲ. 大手企業が規模の経済とマス広告でキャズムを超えて一般化させる

という流れで発生と拡大、成熟していくのがこれまでの流れです。

つまり、(これはペイメントに限りませんが)一人の努力では絶対に作れない。仮に一人でプロトタイプを作ったとしても、それに共感する人、育てたいと応援する人、大きくするぞ!と思ってくれる人(会社)がないと持続しない。

日本でも、モバイルペイメント関連のソリューションは2000年台にはすでに始まっていて、数々のスタートアップベンチャーがそれに挑んできました。そしていろんな失敗や課題にぶつかってチャレンジした。
特に、ネットベンチャー発でのアイデアを普及させるケースは、店舗や決済といったミッションクリティカルなビジネスアプリケーションとの連携について、ノウハウやアンチパターンがわかっていないと、継続どころか実現が難しい。
一方で大企業になると、自社で完結させるようなバイアスがかかったり、社内や他部門調整はとても骨が折れる・・・その苦労でスピードが落ちる。さらにそれだけでなく、いろんな強みを持った企業を集め、ビジネスモデルを考え、全社に利益が渡るように考え、配慮しないといけない。

■スタートアップベンチャー:
 スピード感はあるがスケール感やミッションクリティカルサービスに向かない。逆にいうと、立ち上げからのダイナミズムを主体的に感じられる(らしい)

■大企業・大手企業:
 ビジネス検討や制約条件のノウハウ、既存リソースが豊富なので実現・普及させる力は働きやすいが、小さい始め方や組織的なプロセス課題が発生しやすい(らしい)

急に2018年、PayPayやLINEといった、大企業だけどベンチャーな会社が、いきなりドーン!とキャズムをまたいでくる、みたいなのが起こりましたが、これは急に起こったわけではなく、数々の試練を水面下で乗り越え続けて、ようやくマス化したからそう見えるだけなのです。そのときに「俺思いついてたのにー!キー!」は流石に遅すぎる。ということなのです。
しかも昨今では中国やインド、東南アジアなどモバイルネイティブな国々の勢いによってこの定石が壊されつつあると思います。

ちなみにInstagramは2010年からあります。facebookによって買収されたのは2012年。日本語対応したのが2014年、一般化したのは2016年くらいだと思います。「インスタ映え」が流行語になったのは2017年でした。

つまり、Instagramは大衆化するまで7年かかったという事になります。そして創業者は2018年に退社していますが、初期ボードメンバーは8年間もの間、このサービスの事を考えて考えて、このプロダクト成長のために行動してきたという事ではないでしょうか。

【3.】つまり何を言いたいか

ぼくがこのエントリーで言いたいのは、新しい事や、既存の事でもいい。圧倒的にやりきって「俺がやったんだぞー」と言うには、①思考、②行動、③想い、この3つを強く、長く持ち続ける事が必要であるのではないでしょうか。ということです。

3つ書きましたが、中でも③想い「自分が一生を賭けてでもやりたいことか」といった情熱が結構大事で、だからこそ①思考②行動を強く、長く保つ事ができるんじゃないかなと思います。

そして最後に、④協力者を得る。これも成功の不可欠な要素だと思います。ペイメントサービスを例に挙げたので、必要な協力者やステークホルダーが膨らむ表現となってしまいましたが、シンプルな広告モデルだとしても、協力者は必要です。Instagramも創業者は2名ですし、facebookが後に共感、応援してくれています。
スタートアップなら開発や運用、プロモーション、資金調達など役割がありますが、これはベンチャーでも大企業でも、部門間の協力が必要なのは同じですよね。

で、なんでお前はやらなかったの?って?

いやいや俺いま、自分のやりたいこと探し中だから。



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