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創業3年スタートアップに新卒PMとして入社して学んだPMに求められるマインドセットの話

この記事は、CADDi Advent Calendar 2020 の 14 日目にエントリーしています。

こんにちは、キャディ株式会社という創業3年の製造業スタートアップでPM兼バックエンドエンジニアをやっている朱です。(気がつけば約1年ぶりの note になってしまいました…)

私のプロフィールを簡単にまとめると、

- 今年の4月に新卒1号として入社
- もともとBizサイドで1年間インターンをしていた
- プロダクト開発に本格的に関わりたいと思って今年のはじめにTechへ異動

といった感じです。(インターン時代→異動までの経緯についてはこちらの記事をご参照ください)

今回は、入社して9ヶ月の間で学んだPMとして持っているべきマインドセットについて簡単にまとめられればと思っています。

やってきたことを簡単にまとめる

はじめに、この9ヶ月でやってきた業務についてもう少しだけ詳しく触れておきたいと思います。

キャディでは3ヶ月を1つのQ(クォーター)としてOKRを運用しており、個人の目標設定や評価もそこに紐づけて定められています。それに伴って、業務もおよそ3ヶ月区切りで以下のように変遷してきました。

- 4-6月:担当プロダクトのQA
- 7-9月:担当プロダクトのQA / 開発プロセス改善 兼 1機能のPM
- 10-12月:引き続き1機能のPM 兼 バックエンド開発

始めはプロダクト開発・エンジニアリングに関する知識が全くない状態からスタートしましたが、徐々に担当する業務の範囲と深さを広げてきたのが見て取れるかと思います。

(直近3ヶ月でQAが外れているのは、プロダクトが運用フェーズに乗って自動テストなどの仕組みが整ってきたおかげで、特定の1人がQAの役割を担わなくてもチームとして自然に品質担保ができるようになったためです。その辺の経緯はTech Blogの記事に書かせていただいたので、ぜひ併せてご覧ください)

前置きが長くなりましたが、次の項から本題に入っていきたいと思います。

朱くんは「マネージャー」っていう言葉を甘く見てると思う

これは9ヶ月で受けた数々のフィードバックの中で最も心に深く突き刺さった言葉です。

期中のリリースが目標として置かれていたとある目玉機能を任された際に、期末になっても開発をドライブしきれなかったのに対して、見かねた上司がこの言葉をかけたというのが経緯です。

この言葉のおかげで、PMの仕事は決められたタイムボックスの中で何がなんでもユーザーに価値を届けること・それをマネジメント = 何とかすることなのだと気がつくことができました。

求められる機能の要件定義/優先順位付けができても、単に待っているだけではプロダクトは出てこない。自分の決定は本当に正しいのか?チームは最適な動きをしているのか?を常に疑い続け、必要であればチームにとって苦しい意思決定もしていかなくてはならないということを身を持って実感できた瞬間でもありました。(PMは本質的に孤独な仕事である、という上司の言葉も今ならば理解できます)

こうしたマインドセットを持つ上で、当時の自分には圧倒的に以下の2つが欠けていたように思います。

① 自分の能力を客観的に捉え、足りない部分は適切な人を巻き込んで課題解決まで持っていく力
→ プロダクト開発をする上で求められる能力を1人の人間が全て持つことは不可能です。むしろ、自分にはない多様なスキルを持つ人材を巻き込んで、成果にレバレッジを効かせることができるのがPMの面白さだとも言えるでしょう。

これを実践するためには、自分の思考に無意識のうちに潜むバイアス・思考の癖のようなものをメタ認知できるようになる必要があります。実際にやろうとしてみると言うは易しの典型で、頭では分かっていても常に強烈に意識していないとなかなか行動に移すことができないものだと感じています。

② 人を巻き込む上で軸となる「卓越」ポイント
→ 一方で、人を巻き込むためには自分が持っている意見を確固たるものにする = 自分で自分の意見に自信を持てるようにする必要があります。どれだけ考えても不確実性が残る中でポジションを取るためには、この領域は自分が社内で一番詳しい・そんな自分が言っているのだから正しいはずだと多少強引にでも言い切ってしまうことが大切だと学びました。

これは先程のメタ認知とも通ずる点かもしれないですが、自分の能力を過大評価も過小評価もしないことがPMとしてのアクションを起こす上での第一歩なのではないでしょうか。

PMにとって一番重要なのは解像度

もう1つ、上司から繰り返し言われていることについて書きたいと思います。

「PMはプロダクトのことを誰よりも考えているべきだ」という意見について疑問を呈する方はいらっしゃらないと思いますが、ここでいう「解像度」とは何を指すのでしょうか?

私は、PMに求められる解像度 = 課題に対する解像度×解決策に対する解像度 だと考えています。

PMがPMたる所以は、課題 = そのプロダクトを作ることが事業戦略上どのような意味合いを持つのか/プロダクトを通じて誰のどんな課題を解消したいのかという Why/What の部分に留まらず、解決策 = どのような要素技術を組み合わせ/どのようなUXで提供するべきかという How の領域に対する理解も求められる点にあるのだと思います。

これを言い換えると、PMとしての能力はどれだけ広い領域まで本気で自分ごととして捉えられるかで決まるとも言えそうです。

「自分ごととして捉えて行動に移せるようになること」を目標として置くことで、課題についてより詳しくなるためにユーザーやステークホルダーに必要なタイミングでヒアリングをしたり、その領域のエキスパートと対等に議論するのに必要となる知識を身につけるために学習をしたりする、というPMとしては欠かせないアクションに必然的に結びつけられるようになるはずです。

学び続けるために

前項で「学習」という観点が挙がりましたが、PMにとって継続的な学習というテーマは避けられないものだと思います。

この9ヶ月間で様々な知識をインプットしてきた経験から分かったのは、非連続的な成果の裏には必ず連続的な成長があるということです。(「あるスキルが必要になって初めて学び出すのでは遅すぎるから、どんなに仕事が忙しくても日常的にインプットをする習慣は持っておけ」というのはCTOのアキさんの言葉ですが、ことエンジニアリングという領域に関してはこれが顕著なようにも思います)

言葉にすると単純ですが、私自身最初からこれを実践できていた訳ではありませんでした。先述のとある機能のPMを担当した際に一度出涸らしになるくらい頭を絞っても相応のアウトプットが出せなかったことで、「今のままがむしゃらに頑張るだけではダメだな、持続性のある時間の使い方をしていないな」ということに気がつき、以降はその時々でテーマを定めて意識的に学習のサイクルを回すことに時間を割くようにしています。

業務がパンクしそうなときほど目の前の成果にフォーカスしようとして学習の時間がおろそかになりがちですが、以上の観点を踏まえると余裕を持つことはPMの責務であるとも言えると思っています。

とはいえ、短期的には直接の成果に結びつかないような時間の使い方をするのには勇気も必要です。その際にいかに小さな成長で自分をモチベートし続けられるかが重要だと考えており、今は個人開発やSprint内の一定の時間を実際の開発タスクの消化に充てることでそれを実現しています。(こうした学びの蓄積が、体感では約3ヶ月遅れでPMとしての業務にも役に立ってきているように感じています)

最後にキャディの話

最後に、キャディにおけるPMの話を少しだけします。

PMはエンジニアや営業などと比較すると決まったキャリアパスが存在しない職種だと思いますが、私はそれはむしろ長所だと考えています。決まったキャリアパスがない、すなわち「これが出来るようになればPMになれる」という明確な指標が存在しないがゆえに、役割に縛られない働き方ができるとも言えるからです。

実際に私は、今期はエンジニアリングという専門性の軸を獲得するために業務時間の約5-7割ほどをエンジニアとしてのアウトプットに充てさせてもらっていますし、そのために必要な知識のインプットのためにエンジニアリングのメンターを付けていただくという補助も受けています。また、私の上司も今期から対SP(サプライパートナー)向けの価値提供ロードマップを描くために SCM との兼任を勝ち取るなど、相応の説得力を持って交渉することができれば自分のやることを自分で決めることができる土壌があります。

一方で、自分のキャリアを自分で決める以上はそれに伴う結果も自己責任になるという裏面もあると思います。そこで重要になるのが、目指したい姿とそこに至る道筋をどれだけクリアに描けるかという目標設定力です。その観点でも、キャディには様々な領域のエキスパートやPMとしても卓越した人材が揃っているため、ロールモデルには枚挙に暇がありません。

ということで少し強引に言いたいことをまとめると、キャディではPMやエンジニア、その他さまざまな職種で幅広く募集を行っています。つい先日リニューアルした採用サイトがここ最近で一番感動したプロダクトなので、皆様ぜひ一度ご覧になってみてください!

最後までお読みいただきありがとうございました。私自身まだまだPMとしてはいいとこ半人前なので、ぜひ他のPMの皆さんとディスカッションしたいと思っています。記事の内容に共感いただけた方はぜひ twitter などで気軽にご連絡いただけると嬉しいです!引き続き定期的に発信は続けていきたいと思っているので、フォローもよろしくお願いします!

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