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#17 S区宗教音楽公論の歌詞好きすぎる殴り書き

熱が冷めないうちに熱弁しておく。
Cメロ(今夜だけ〜ずっとこのまま)の歌詞がいい。
いや、もう全部いいんだけど、Cメロがとにかく好き!!!

毎回PKの歌詞は感傷的だけど、今回は群を抜いてセンチメンタルです。「死のうと思った」ってダイレクトに書いてますからね。この繊細さゆえに、危険物を取り扱うが如くというよりは、初めて赤ちゃんを抱っこする時のように慎重に聴きました。慈愛を持ってこの曲を聴かないと、理解できないし、しんどくなりそうで聴けないんですよ。秒でこんなノート書いてる時点で慎重じゃければ慈愛も無いと思われるでしょうが笑。

動画と歌詞載せときます。



「S区宗教音楽公論」PK shampoo

西武新宿死のうと思った
東京でも僕はあの学生街を返り血のように覚えている
神様 やさしいさよならを僕に教えて

盗み出して空に飾るコーラス
基礎からやるには夕日が眩しすぎて 
全て欲しがると苦しい
神様 やさしいさよならを僕に教えて

西武新宿死のうと思った
押さえつけるだけじゃまだ血は止まらない
思い出の曲や映画ともさよなら
ふたりが寄り添った素晴らしき日々よ

このまま このまま このまま魔法をかけて
歌声 星空 君といたあのきらめきを このまま

このまま このまま このまま魔法をかけて
歌声 星空 消えそうだよラウダ 星をつれて

今夜だけ 僕らふたりだけ 
どこか遠くへ逃げてしまおう
まるで僕らのせいじゃないと言わぬばかりに溶けて
応報刑論よ 僕を引き止めて 
でも神様あの子をさらってよ
宗教音楽公論よ 鳴り止まないで 
ずっと ずっと このまま



サビに入るまで(1回目のこのまま〜まで)はもうとにかく明るい言葉が無いんです。まずデバナで「死のうと思った」と言った後に「返り血のように覚えている」と重ねてくるのは天才です。初手でトラウマを視聴者にグサっと刺しときます。グサどころではないです、グサグサグサくらいいきます。

で、「返り血」これですよこれ、これが大事。自分が斬られた血ではなくて、相手を斬った時に自分にかかる相手の血です。なので「返り血のように覚えている」は自分が何かしら悪いことをした側だということだと思うんです。少しグロテスクな罪悪感の表現。これが次のターンに出てくる「盗み出して」をさらに罪悪感マシマシにします。「基礎からやるには夕日が眩しすぎて」からは自分がやってきた事に対する後悔がムンムンと香ります。曲全体で罪の意識が重すぎてしんどいんですが、最初の畳みかけ具合が凄いです。ほんでまた「苦しい」と。もうとにかく明るい言葉はありません。大変リズミカルに人を憂鬱にさせます。

そしてもう一回「死のうと思った」が出てきます。そんで「押さえるだけじゃ血が止まらない」と言うんです。それまで2回「神様 やさしいさよならを教えて」と言っているので、視聴者からしたら「本当に神様いるなら助けてやってくれ…」と思うわけです。で!助けてあげて…と思ってる時に「思い出の曲や映画、君との素晴らしき日々ともさよなら」って言うんですよ。不幸コンボが滅茶苦茶綺麗に決まります。テンポよくしんどくなりすぎる。

聴いてるこっちからしたら限界です。だってもうこの人ほっといたら死ぬやん。もうマジで神様助けてあげてくれ、もはやこっちが助けてほしい、くらいになります。聴いてて心が痛い。

あまりの陰鬱さの連続に視聴者が「もう死んじゃうじゃん😭」となってからサビに突入。Aメロでは心の痛い言葉の連続でしたが罪悪感フレーズや苦しいフレーズが出てこなくなります。ここで「2人が寄り添った素晴らしき日々よ」「君といた あのきらめきを」と連続させて、トラウマティックな日々とは反対に"君"との過去がとても良かったことを印象づけます。歌詞の緩急がジェットコースターです。えぐぅ。
そして、「ずっとこのまま魔法をかけて」と言って、あと少しでサヨナラしないといけないであろう素敵な思い出に必死に縋り付きます。「このまま 魔法をかけて」をひたすら繰り返すのと、さっきまでの不幸コンボで、より一層「マジで魔法かけろ」と聴き手に思わせます。


で、曲の中でかなり長いこと「このまま 魔法をかけて」のターンが続き、「歌声」×「星」でちょっとファンタジー感を出して、聴き手は「そう、魔法かけちゃえよ〜」みたいな、非現実的な夢の中というか微睡の中の思想が若干出てきます、諦めとかの方が正しいかもしれない、「もう魔法にかかるしかないんだよ」みたいな。これは、「マジで魔法かけろ」とは別の思想です。色濃くリアルな憂鬱を刻み込みつつ、もしかしたらなんとかなる感をうっすら漂わせるのです。フワフワした感じの間奏と静かなサビメロを挟んでその空気感はより濃くなります。

あとラウダは何ですか…ガンダムですか…もうこれが全くわかりませんでした。ガンダムかて、履修してないし、、、。

そしてCメロ?に入って、「今夜だけ 僕ら2人だけ どこか遠くへ逃げてしまおう まるで僕らのせいじゃないと 言わぬばかり溶けて」でそのフワフワ思想が炸裂します。転調と、冒頭に「だけ」がテンポよく入ってるので、言ってる事はフワフワしているけれど、力強さはあるという不思議なテイストに。「溶けて」でフワフワ感の輪郭がよりはっきりします。

そして、マッッジでエグいのがここです。
Cメロの前半でフワフワと現実味が無く、もはや祈りのような具合で「逃げてしまおう」と言っているのですが、後半でいきなり「「応報刑論よ」」と叫び出すのです。そうです。Aメロで散々歌ってたあの、トラウマティックなグロテスクな罪悪感を再び召喚しました。

今までフワフワした思想でギリギリ現実から目を逸らしていた(とはいえ脳内の大部分はあの憂鬱さが占領している)ところから、「応報刑論よ 僕を引き止めて」で、物凄い勢いで現実に戻されます。ここのスピード感が凄まじい。「応報刑論」という厳しい漢字の羅列で前のフワフワ思想との対比がより深くなります。しかも、前半部分最後の「溶けて」と後半の「引き止めて」で韻を踏んでることによって、その対比がより一層激しく感じられます。ここで韻を踏むのがほんっっっっっっっとうにエグい。しかもこの曲はそういう言葉のビート感バキバキ!って曲じゃ無いから、そんな韻を踏んでない、この言葉遊びによる上品さ、奥ゆかしさがまた素晴らしい。大好き。ラブ。

しかも、これ、外的要因があって「僕を引き止めて」と思ったわけじゃなくて、自分の意思でフワフワ思想をシャットアウトしようとしてるんですね。こーーれが切なすぎてダメなんだな。でもやっぱシャットアウトしきれなくて、「でも神様あの子をさらってよ」と。しかもこれ、今まで元カノ?の事を「君」と言っていたのに、ここで急に「あの子」になる。2人の間の物理的距離が感じられて超絶良い。って考えると、やっぱ大阪から東京に移った事はこの曲の解釈でめちゃめちゃ大事なんですねぇ。

もうここの韻を踏むのが好きすぎて、宗教音楽公論がなんのこっちゃ細かい解釈はわかりませんが、シンプルこの曲ずっと鳴り止むな!と解釈してます。君=あの子と「ずっとこのまま」でいることは叶わないので、せめてこの曲はずっと鳴っていてくれ、みたいな。

※応報刑論は、起こった犯罪行為に対して悪いことしたんだから罰を受けるべきだ、と考えるアレです。目には目を的な。これの反対に目的刑論があって、これは悪いことをしたからではなく、犯罪防止のために悪いことをした奴に罰を設けるべきだ、みたいな考えです。間違ってたらすんません、ってか自分高卒やしそんなん知らんねん。


ということで、この、「溶けて」と「引き止めて」で韻踏んでるのがあまりに尊すぎて、なぜこんなに尊く感じるかを熱弁致しました。冷静に考えたらツイート一回にまとめられたかもしれん。

細かい解釈は知らん!!ってか芸術に対する正解の解釈とか無いねん!!私は初手でこう思ったという殴り書きメモ!!

雑なメモを読んでくれた人サンクス!

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