言稿
青い部屋、いかなる切断された瞬間にも青ではない 明と暗、明と暗との交流の、いわばあわいの速度なのだ 天井には半熟の洋梨 レンズ・シャッターの連写によって薄く輪切り…
薔薇のオル・ドーヴル また嘔吐する あなたの音がする 海の音がする スモッグに抱かれ 微睡む幼虫 鉄塔に枝垂れ 流れる葡萄酒 ムーンウォーク 重力に逆らい踊るスパ…
風然の売女、凱歌を歌って 私を通り過ぎていった 悄然の博徒、酔いを引き摺って 今日も良い日になりそうだ 驕慢の愛は凶器を掴んで 私に振り下ろしてきた 茫然の博徒、酔…
部屋の隅で壊れた空き缶が喧しい。蓋を開けると隠元豆の匂いがする。爪を整えたボトルがこの中身を血眼になって探しているようだ。その透き通った身体で屈折された太陽が…
2023年2月5日 06:32
青い部屋、いかなる切断された瞬間にも青ではない明と暗、明と暗との交流の、いわばあわいの速度なのだ天井には半熟の洋梨レンズ・シャッターの連写によって薄く輪切りにされており断面から零れる果汁の気体たちまち空間を充溢し、また霧散する一連の呼吸はあまりにすばやくほとんど窒息と区別がつかない八分の一秒おきのレントゲンは風船の中身をそのたびごと詳らかにする印字されることのないカルテコー
2021年10月16日 18:22
薔薇のオル・ドーヴル また嘔吐するあなたの音がする 海の音がするスモッグに抱かれ 微睡む幼虫鉄塔に枝垂れ 流れる葡萄酒ムーンウォーク 重力に逆らい踊るスパンコールどうだったって染みったれて 澱むアンコールあなた、きっとストロボで瞬く幽霊シャッターを切れば、消える残像だけエンドロールを吐き戻して、再生ああ、こんな日々でさえあのね ライラ ライラ 墜ちて行けあなたの声に再び
2021年4月29日 21:41
風然の売女、凱歌を歌って私を通り過ぎていった悄然の博徒、酔いを引き摺って今日も良い日になりそうだ驕慢の愛は凶器を掴んで私に振り下ろしてきた茫然の博徒、酔いも冷め切って今日も良い日になりそうだ青白く醜い手そっと私の奥に触れてそうだ、あなたを欺いて胃と愛を裏返す日までプレタポルテの群れが吸い込んだ目眩うばかりの欲望ががなるマイクに高層の電波(愚かなる売婦に妄想の伝播
部屋の隅で壊れた空き缶が喧しい。蓋を開けると隠元豆の匂いがする。爪を整えたボトルがこの中身を血眼になって探しているようだ。その透き通った身体で屈折された太陽が街を埋め尽くしつつある。プリズムという検閲を通過した虹どもの氾濫だ。ここには爪切りがないので擬態することが出来ない。仕方がない。死んだ牛に砂嵐を食ませる。それが世界に発見されないための唯一の方法なのだ。密通するスケープゴート、読後速やかに咀