こどもに合わせた関わりや支援・工夫のための情報収集 「特性の強みと配慮のアセスメント」
支援に活用するアセスメント???
前回からアセスメントシリーズの記事を書いています。
今回はこどもに合わせた関わりや支援・工夫のための情報収集
「特性の強みと配慮のアセスメント」
について記事を書いていきます。
(お子さんにと書いていますが、考え方は年齢問わずなので多くの方に使うことができます。)
<前回のアセスメントの参考記事>
このアセスメントは、こどもに合わせた関わりや工夫、支援、配慮を考える際に活用しやすいアセスメントになっています。
支援や工夫、関わりの整理が必要な時にアセスメントを確認、もしくは、再度アセスメントしてみると良いかもしれません。
特性の強みと配慮のアセスメントとは?
それでは特性の強みと配慮のアセスメントのもとになっている考え方を説明していきます。
特性のアセスメントで重要な考え方の一つは、
「強み」の特性と「配慮」の特性に分けることになります。
なぜ、それが必要かというと、
強みと配慮では支援や関わりが変わってくるからです。
「配慮」の特性はそのまま配慮の支援や関わりということになりますが、
「強み」の特性は、強みを生かしたプラスの支援ということになります。
特性のアセスメントをする際に「配慮」のアセスメントだけしか情報がないと「配慮」の支援のみになってしまい、、場合によっては個別対応が強くなりすぎて(これが悪いということではありませんのでご注意ください)、
個別の部屋、、、
ずっと特定の人、、、
のように支援が行き詰まってしまう場合があります。
「強み」の特性も把握していると、
・わかる情報に注目できるように工夫する
・支援の般化を狙う
、、、などプラスの支援に活用して、支援に広がりを持たせることができるようになる場合があります。
しかしアセスメントする時は、多数派の支援者や大人が情報取集することが多いので、どうしても「配慮」の特性把握が多くなってしまう場合があります。
<例>
・長い言葉を理解するのが難しい
・二つのことを同時にするのが苦手
・集中力が短い
・抽象的な表現の理解が苦手
・急な変化が苦手
・興味が偏る
・見たら誘惑に負けてしまう
アセスメントシートに「◯◯ができない/難しいなどの表現が多くなってしまう状態だと、プラスの支援を考えにくくなる場合があります。
その場合だと上記のような支援展開になってしまう場合があるので、「強み」の特性をうまく把握する必要があります。
「強み」の特性を見つけるアイディアの一つとして、
「強みと配慮は表裏一体の関係性」というアイディアが活用できるかもしれません。
「配慮」の特性がたくさん見つかったということは、裏を返せば「強み」になるということです。
表現をポジティブワードに直すと「配慮」から「強み」の特性に変換することができます。
先程の例を照らし合わせると、
・長い言葉を理解するのが難しい⇄日常よく使う単語の理解がある
・二つのことを同時にするのが苦手⇄一つのことへの集中が強い
・集中力が短い⇄課題学習に3分程度取り組む
・抽象的な表現の理解が苦手⇄具体的な情報の力が良い
・急な変化が苦手⇄ルーティンの理解が強い
・興味が偏る⇄興味のあることにはよく集中する
・見たら誘惑に負けてしまう⇄見て情報を取ることが得意
となるかもしれません。
強みの特性を理解していると、特性を活かしたプラスの支援を考えることができます。
バランスよく強みと配慮のアセスメントを把握することが重要になります。
<アセスメントのバランス>
・弱みの特性ばかりのアセスメント結果→配慮の支援ばかりで最終的には、何も置かない、マンツーマンの支援などになりがち
・バランスの良いアセスメント結果→配慮のポイントも整理され、強みの特性を生かしたプラスの支援がされ本人の生活の質が向上するような支援
アセスメントの大事なポイント
1:強みの特性を活用する
例えば、「長い言葉を理解するのが難しい」のように、弱みの特性の表記だと支援のイメージもつきにくいですが、
「長い言葉を理解するのが難しい⇄日常よく使う単語の理解がある」
のように、
強み表記の特性は誰が見てもどうするべきかということがわかりやすい表記になっていると思われます。
この場合、この子に関わると気にはなるべくわかりやすいひょyげんを使おうと心がけると思います。配慮のみでは、そういうタイプの子なんだな、、、という理解だけで終わってしまう場合があります。
引き継ぎなどの時も、強みの特性だと支援のイメージと直結しやすいかもしれません。チームでポジティブな強みの特性表記のアセスメントを心がけてみましょう。
2:特性や個性の違いが起きやすいカテゴリーの確認
特性のアセスメントをする時に重要になるのは、「個性(特性)の違い」をアセスメントすることです。小周波の個性を持っているお子さんの場合は、この違いが多数派仕様の世の中でうまくいかなくなっている要因の一つになっている場合があるので、必ずチェックするようにしましょう。
<押さえておくカテゴリー>
・コミュニケーション(受容/表出):どのように情報を受け取るか/どのように情報を発信するか
・社会性:人や集団への関わり方、社会のルールの理解の仕方など
・想像や興味関心:柔軟性や変化への対応、興味関心について
・感覚:五感などについての鈍感/敏感さ
・認知/記憶:学習スタイルや記憶の特徴など
・注意/注目:注目の特徴や注意の持続など
・運動/体の使い方:体の使い方や道具の使用など
3:アセスメントは客観的に!
特性(個性)のアセスメントは見る視点や標準化されている情報ではなく、アセスメントする支援者の見立てによってアセスメントされるので、支援者によってアセスメントの評価や見立てが変わってくることがあります。それを少しでも回避するためにポイントを整理しています。
<ポイント>
・客観的でベースラインを見つける:アセスメントを取る際によく関わったり、担当で抱えているお子さんに関しての評価はどうしても甘くなってしまいがちですが、できるだけ客観的なアセスメントを取り、調子が良いからできることではなく、日常レギュラーでみられる個性(特性)に関してアセスメントしましょう。
・チームで共有する:一人の視点では客観的に見ていても偏ってしまうことがあります。最低でも二人以上でアセスメントをとるか、アセスメント結果を他者に見せることで共有し複数視点を入れるようにしましょう。
・個性の違いを見つける:先ほどの項目にも書きましたが、日常の違いのギャップで困り感がうまれることが多いので、個性(特性)を見つけるアセスメントを取りましょう。
アセスメントの活用方法
このアセスメントは、こどもに合わせた関わりや工夫、支援、配慮を考える際に活用しやすいアセスメントになっています。
支援や工夫、関わりの整理が必要な時にアセスメントを確認、もしくは、再度アセスメントしてみると良いかもしれません。
このアセスメントでは、計画や目標作成には余る活用することは難しいですが、
計画や目標を立てた後に、支援や教え方、関わり方などを考える重要な材料になります。
上記の視点を持ってアセスメントしてみると良いかもしれません。
まとめ
特性アセスメントは、特性の強みと配慮のポイントに注目し、配慮の支援と強みを生かしたプラスの支援のバランスを考えるために必要なアセスメントです。
特性アセスメントが足りないと、本人にあった支援/工夫/関わりではなく、多数派仕様のやり方になっている場合があり、支援が必要なお子さんに支援が届きにくくなっている場合があります。
強みと配慮のバランスを見ながらアセスメントしていくことが重要になるかもしれません。
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