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どんな自我の脳を編集する?

ここまで、自我や意識について説明してきましたが、改めて、あなたは「自分は何か」という問いに、どう答えられそうでしょうか?
 
ある人にとっては、ご自身の肉体を指し示し、「これが自分だ」という方もいるかもしれません。それとも、過去に体験したことを話して、「これが私です」と言う方もおられるかもしれません。
 
また、同じ質問を、量子力学の研究者に聞いてみると、「私たちは粒子の集まりで出来ています」という回答が返ってくるかもしれません。
 
量子力学的な観点で自我を考察すると、粒子同士が衝突することで、そこに何らかの情報が生じ「知覚」が生まれます。知覚とは、情報を受け取って、五感で感じたり、頭の中でイメージしたり、感情が生まれたりすることです。
 
この知覚する主体のことを意識、そして意識が知覚することを認知といいます。また、認知のパターンのことを信念(信じ込み)、そして、認知してきたことの蓄積が記憶です。したがって、自我の一番のはじまりは、知覚する主体である意識ということになります。
 
ここで、今一度、自我と意識の関係性を整理してみましょう。
 
潜在意識を一まとめで解釈するなら、人馬の関係性としてたとえるだけで事が足りますが、P42で見たように、人格は大きく4層構造にもなっているので、潜在意識も同様の構造と考えられます。
 
そこで、1人の意識を地球に見立てたものが、下の図です。

山:顕在意識⇒表の自分=主我(I)
⇒モノゴトを認識する「表」の意識
 
地殻:メタ無意識・メタ自我
⇒意識全体を包括する意識の器のようなもの。
 
地殻より下部の層:
外部マントル:感情
内部マントル(茶):思考
潜在意識・客我(me)⇒思考・感情に影響を与える「裏の自分」
外核(赤):自己認識・信念・価値観=「裏の自分」の自己認識・ルール・大切にしている考え
内核(オレンジ):=存在の核「中心の自分」

宇宙空間:集合的無意識・真我(大我)
 
この図は、自分の中核となる「本心」に立ち返って、本来的自我で生きることで、「自利利他(自分のために生きる=他人のために生きる)」の境地に到達できることを、モデル化したものです。
 
では、この図を現実の物理空間で活かすには、どのような取り組みをしたらいいのでしょうか?

たとえば、T君の存在価値が、「ものごとを探求する」「人を大切にする」だったとします。
このT君が、存在価値を発揮するためには、まず、「何のためにそれをやるのか?」という目的を定めることが重要です。

次に、「自分は人の健康について探求し、その成果を多くの人に貢献していく存在なんだ」といったような自己認識を設定することが必要になります。

そして、その自己意識に相応しい「信念・価値観」を設定し、それに伴う「行動指針」、「具体的な行動戦略」と設定していきます。

こうして、各層ごとの設定が新たな神経回路となるように、繰り返し、脳に教育し続けることで、T君がT君らしく生きながら、他者にも大いなる貢献をもたらす現実を創れるようになっていきます。
 
しかし、何かの拍子で、過去の『未完了の感情』が浮上し、潜在意識を覆ってしまうと、存在価値を発揮しにくくなってしまいます。
 
そこで、次のパートでは、私たちが存在価値を見失いやすくなることの背景として、「脳のサバイバル状態」について、お話しします。

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