帳消しにしてください
昨年11月から左肩を動かすと痛みが走るようになり、原因に心当たりがないまま、とりあえず整形外科を受診しました。
レントゲンを撮っても骨には異常がなく、どうやら関節部分の炎症らしいと診断され「1週間たっても痛みが退かなければまた来てください」と言われて、湿布と鎮痛剤を出されました。
このくらい腕が上がるならまだ四十肩でもない、ということでした。
湿布で冷やしていいのかなぁ?と思いながら薬の処方箋を見ると、副作用について
めまいがしたり、目がかすむことがあります
と説明されていました。
う〜ん。
この湿布と薬で1週間で治しなさい、ということか。
鍼灸院の先生はもう少しマシでした。
四十肩の腕の可動域や痛みの強さは個人差が大きく「これは言ってみれば四十肩予備軍だ」という見立てでした。
そして
治るまでの期間にも個人差がある
痛みが悪化する時期があるが過度に心配しなくていい
外科で出された薬は飲んでも飲まなくても好きにしていい
等を話してくれました。
ただ、四十肩というラベルは、しっかり貼ってくれました。
12月、そろそろ年賀状を書こうという時期になり「今年のメッセージは何にしようかな〜」と考え、よりにもよって
四十肩(一応まだ予備軍)になってしまい、微妙に不便な生活を送っています
と書きました。
10枚弱すべてに同じメーッセージを書いたので、鍼灸院で貼られたラベルに加えてさらに10枚以上も、自分で自分に四十肩というラベルを貼ったことになります。
以前、自分マスターゼミナールで『親からの呪(しゅ)』というテーマの回がありました。
わたしたちは他人から呪をかけられることもあるし、反対に他人へ呪をかけることも、自分で自分に呪をかけることもあります。
病名は代表的な呪の一つです。
↓呪に関連する過去記事
ちょっと自慢してみたかったんですよ。
四十肩なんて、初めてで新鮮で。
「原因不明で肩が痛い」じゃ不安だけど、病名が付いて安心したから、周りに言いふらしたくなったんです。
エゴって本当にバカですね。
自分を特別にすればするほど
◯◯に違いない
◯◯しなくてはいけない
が増えて、人生が不自由になっていくのに。
ラベルのお陰で順調(?)に、当初より腕の可動域が狭く、痛みが強くなっています。
文字通り「呪縛」です。
肉体労働者なので、身体の使い方に問題があるのかもしれません。
腕を組む癖があるからじゃないか、と指摘してくれた人もいました。
医学的知識を持ち合わせていないので確かなことは言えませんが、急性障害ではなく、長年積み重ねてきたものが症状として顕在化したらしいことは、何となくわかります。
それを薬で1週間以内に抑え込ませようとする医者がいる。
すごいですよね。
でも、ふと思いました。
ひょっとしてこういう医者は、人間の集合無意識が作り出しているんじゃないだろうか?
これまでの生き方のツケを薬や施術で一気に帳消しにしてほしい
という、わたしたちの思いが。
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