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魔法陣の技法 悪魔召喚の奥義

いつから、この古本屋は営業しているのだろう?。

もしかすると、この物語の主人公のパイナップル番長が生まれる前から存在していたのかもしれない。

いつも居眠りしている店主は、もう後期高齢者のようだ。

店舗自体も、築何十年も経っているようで、ところどころに補修が必要な箇所が見受けられる。

パイナップル番長は、本当にアナログな男だ。

パソコンて観るエロ動画よりも、紙の香りがするエロ本が好きなのだ。

といっても、今のコンビニで売っているエロDVDの焼き直しのようなエロ本ではなく、昭和の時代の『あのエロ本』が大好物なのだ。

パイナップル番長は、年齢47歳、身長189センチ、体重140キロ以上で、南国諸島人の風体を醸し出しており、女性とは真面に付き合ったことすらない中年童貞なのだ。

本名は『岩丼泰好(いわどん やすよし)』というのだが、彼の知人は、彼のことを『パイナップル番長』と呼ぶのが普通のことになっている。

今日も、そんなパイナップル番長が、昭和のエロ本を物色しに、この古本屋に訪れているようだ。

パイナップル番長:「ぬほ、ぬほほほほ。やっぱりこの古本屋は最高ですね。どんな最高のエロ本が、この膨大な書籍の中に埋もれているのか、宝探しの気分が味わえますねー、ぬほぬほ!」

この古本屋の店主は高齢なので、パイナップル番長がいくら立ち読みで長居をしても気にするとはない。

いくらでも好きな時間、今夜のオカズにするエロ本を吟味することができるのだ。

店主は、時折、店の奥の部屋に戻っていっては、お気に入りのテレビ番組を観ているようだった。

そして、パイナップル番長が店内にあるエロ本を手に取って吟味していると、店主が奥の部屋から出て来た。

店主:「お客さん。うちの店にいつもきてくれてありがとうね。最近の若い人はエロ本なんて古いものは見なくなっちまったからね。好きなだけ、長居しておくれなね。」

パイナップル番長:「おお!店主殿、かたじけない。お言葉に甘えて、たくさん拝見させていただきますよ。ぬほぬほぬほほ!」

パイナップル番長が、棚の高いところにあるエロ本を手に取ると、奥から一冊の古くて分厚い本が床に落ちた。

   バタン!

店主:「おっこらしょっ」

店主は、不自由そうな身体で拾い上げ、その本の埃を払うと、パイナップル番長に手渡しながら言った。

店主:「おお、こんなところにあったのか!、たしか、この本は、ワシがまだ若い頃に、不思議な格好の男性から手に入れたものじゃ。もしかしたら、外国の人だったのかもしれんのう。」

パイナップル番長が、店主から渡された古くて分厚い本の表紙を見ると、そこには頭が山羊の裸の女性と逆さ五芒星の絵が描かれている。

『魔法陣の技法 悪魔召喚の奥義』

というタイトルが書かれていた。

パイナップル番長は、パラパラとページをめくった。

どうやら、羊皮紙に書かれているようで、外国語の筆記体で書かれた文字に、後から誰かが日本語訳を追記した手作りの資料のような書物であった。

店主:「これはな、まだ明治の最初の頃の書物のようだな。わしの知識が確かなら、その当時の大日本帝国は、世界で唯一、西洋魔術を国家で研究していたんだ。この本は、その頃の名残だな。」

パイナップル番長が、この本を読み進めていくと、次ような記述があった。

『悪魔召喚の技法ついて』

悪魔の力を借りるためには、魔法陣が必要である。魔法陣を描いて悪魔を召喚し契約できれば、どんな願いでも叶えることができる。

パイナップル番長:「なるほど、これは魔法書ですか・・・。これがあれば、女性からモテるようになるかもしれないんですかね?」

店主:「どうだろうね。悪魔というのは狡猾だといわれているからな。それに、もしこの世界に本当に悪魔がいるならの話だよ。それに興味がおありなら、その魔法書は、いつもたくさんエロ本を買ってくれるお礼に、お前様に差し上げよう。ワシが持っていてもしょうがないからな。」

パイナップル番長は、いつものとおり、この古本屋で、今日も大量のエロ本を購入していった。

パイナップル番長が古本屋から出ようとした時には、手には大きな袋一杯のエロ本を抱えていた。

パイナップル番長:「ふぅ~、大量ですな。これだけあれば、一週間はオカズには困らないでしょう。ぬほほほ!」

店主は、そんなパイナップル番長を見て、呆れた顔をしていた。

店主:「お客さん。あんまり、そういう本をいっぱい買い込んだら、奥さんが心配すんじゃないかい?。」

パイナップル番長は、少し恥ずかしそうにして答えた。

パイナップル番長:「いえいえ、自分は、恥ずかしながら、もう50歳も間近ですが、いまだに独身なんですよ。それどころか、女性経験すらありません。エロ本が私の恋人であり妻のようなものですよ。ぬほほほほ!!」

店主:「そうかい。なんでまた、結婚しないんだい?。モテないわけでもないだろ?。」

パイナップル番長は、寂しそうな顔をしながら、こう言った。

パイナップル番長:「自分、謙遜ではなく、本当に本当にモテないんです。家だって地主で駐車料金が入るのに、不思議なくらい全く女性から相手にされないんです。どうしてなんでしょう?うえーん(大泣)」

店主:「そりゃ、お前さんは、発情しては、全裸に腰蓑姿になって、駐車場で奇声を出してるからだよ。この辺じゃ噂になってるぞ!」

パイナップル番長は、涙を流して言った。「はい。おっしゃるとおり。そうでした。ごめんなさい(涙)」

パイナップル番長は、その後、帰宅すると、早速、買ってきたエロ本を読んだ。

そして、読み終わると、興奮が収まらず、その夜は徹夜でオナニーした。

パイナップル番長:「自分、オナニーで腹上死しそうです。自分の腹の上ですがね。うっかり歳をわきまえずにハッスルしすぎてしまいました。」

「うーん。朝までオナニーに没頭してしまったから、眠くて仕方ないですね。バイトはサボるとしましょう!」

パイナップル番長は、その日、運送会社のバイトを休んで半日眠っていたようだ。

(起床後)

パイナップル番長:「そういえば、あの古本屋の店主さんから頂きました魔法書が気になりますね。せっかくだから研究して、悪魔とやらを呼び出して、世界一モテる男にしてもらうのです!。」

パイナップル番長は、再び魔法書を眺めてみた。

『魔法陣の技法 悪魔召喚の奥義』

“悪魔は、人間の堕落を悦びとする存在であり、人間を欲望の沼に引きづり込むのを何よりも好むとされている。”

“悪魔は、人間と交渉し、契約を結ぶことで何らかの対価と引き換えに望みを叶えてくれる。

ただし、交渉失敗により、術者が生命を奪われる危険もあるので、悪魔との交渉の際には、必ず聖水を用意する必要がある”と書かれていた。

“悪魔は狡猾なので、交渉が順調に進んでいるように思えても、決して気を許してはいけない”とも書かれていた。

パイナップル番長:「この『魔法陣の技法 悪魔召喚の奥義』という魔法書は、本物の魔法技術が書かれているみたいだな。」

パイナップル番長:「それにしても、エロ本で読んだことあるけど、この“聖水”って、“女子高生のオシッコ”のことだよね…、そんなのどうやって用意すればいいのよ?。逮捕されるよね。まあ、いいか。とりあえず、この『魔法陣の技法 悪魔召喚の奥義』という本を読んでみましょう!」

その本は、羊皮紙に書かれた手書きの本だった。表紙は、山羊の頭をした女性の裸体が描かれており、その周囲には逆さ五芒星が描かれていた。

『魔法陣の技法』の章

“悪魔を召喚するには、まず魔法陣を描くことから始めなければならない。

魔法陣は、直径5メートル程の円の中に、シンボルを描き、その中心に、呪術文字を書き込み、呪術師の血を垂らせば完成する。”

“また、併せて、召喚魔法陣の隣に線で結ばれた直径2メートル程の術者の防御魔法陣を描く必要がある。これは、術者が悪魔の力から身を守るもので、交渉中は決して防御魔法陣の中から出てはならない。“

そして、この本の『魔法陣図形指南』という章に、魔法陣の描き方が詳しく記載されていた。

“この魔法陣は、悪魔と契約を交わした後にも、悪魔を地上に縛りつける効果があるので、決して消してはならない”そうだ。

パイナップル番長:「どうやら、この魔法陣というのは、この世と魔界をつなぐトンネルのようなもので、呪術文字に自分の血を垂らすと、悪魔を召喚ができる仕組みなのか!よし、やってみるか!。必要となる聖水は、自分のオシッコとポカリスエットを混ぜた液体で代用してみよう!、聖水は、契約を渋る悪魔に振りかけて攻撃するものらしいから、健康診断にも引っかかる自分の尿なら完璧でしょう!」

(その日の深夜)

パイナップル番長:「それでは、ご先祖様からいただきましたこの駐車場地に、召喚魔法陣と防御魔法陣を描いて、早速、悪魔召喚の実践あるのみです!。」

パイナップル番長は、着々と作業に取り掛かった。

パイナップル番長:「ぬほほ!。この駐車場の敷地に、魔法陣を描いていくぞ!。ぬほほ!」

パイナップル番長が、駐車場にチョークで描いた図形は、召喚用の魔法サークルの中にカバラ十字と星座のシンボル、魔界の住所を意味する呪術文字を記載するというものであった。なお、防御魔法陣には、神の真実の名前と四大守護天使のシンボル、魔術発動のための呪術文字を描くのだ。

パイナップル番長:「ふー、やっと描き終えた。あとは呪文を唱えて、自分の血を呪術文字に垂らすだけだな。ぬほほ!」

パイナップル番長が、防御魔法陣の中心に座り込み、興奮のあまり鼻血を垂らしながら呪文を唱えると、召喚魔法陣が輝き出した。

パイナップル番長は、「我が名はパイナップル番長!、この名において我は求める。出よ!デーモン!」と最後の呪文を唱えた!

途端に、不穏な空気が漂いだしたのが、鈍感なパイナップル番長にも判った。

すると、野生動物のような嫌な臭いが漂ってきた。その後、恐ろしい唸り声が地響きと共に聞こえてきて、魔法陣が鈍い赤色の炎で燃えだした。そして、召喚魔法陣の内側から大量の青い煙が立ち上ってきたのだ!

周囲が見えないほどの濃い煙が辺りを包むと、なんらかの大きな何者かが現れたのがハッキリと判った。

パイナップル番長:「こっ、これは…、悪魔召喚成功だと思うぞ…」

そう呟くと、ほぼ同時に、現れた大きな存在が語りかけてきた。

悪魔:「なんのようだ?、貴様が私を呼び出したのか?」

パイナップル番長が恐る恐る見つめると、そこには、かなり太った強烈すぎる熟女の悪魔が立っていた!

悪魔:「私は、魔界の司令官であるキワーノだ!お前が私を呼んだのか?、お前ごときが私と契約したいだと?。ふん。悪魔との契約には代償が必要となるのだ。お前には私に差し出す代償はあるのか?。」

パイナップル番長:「えっ!?、あ、はい!あります!。キワーノ司令官!私の持っている貴重なエロ本を全部あげますから、願いを叶えてください。お願いします!」

キワーノ司令官:「なんだと!、エロ本だと?。私を安く見たものだな。しかし、まあ、よいだろう。お前が所持するエロ本を全て貰おうか。」

パイナップル番長は、本来は防御魔法陣から出てしまったら命の危険があるのだが、初めての経験ゆえ魔法のルールを失念して、防御魔方陣を飛びだして、急いで自宅のコレクション部屋に帰り、あるだけ大量のエロ本を大量に持ってきた。キワーノ司令官は、どういう訳か、防御魔方陣の外に出てしまったパイナップル番長の命を奪わなかったのだ。

パイナップル番長:「ハア、ハア、ハア。キワーノ司令官、どうぞ、お納めください。」

キワーノ司令官:「ほほう。個人所有とは思えないほどの異常な量だな!。しかし、これだけでは私を満足させるのは難しいな。そうだな。お前が初めてセックスした相手の毛髪と爪をもらおう!」

パイナップル番長:「キワーノ司令官、あのぅ・・、すみません。自分は童貞でして、初めての相手というのは・・・。存在しません!!」

キワーノ司令官:「なんだとーーーーーー!!!!!。もう人生折り返しという年齢なのに、大丈夫なのか!!??」

悪魔に人生を心配されるパイナップル番長であった。

その瞬間!、パイナップル番長は、自身を心配してくれることで生じたキワーノ司令官の一瞬の心の隙を見逃さなかった!

パイナップル番長:「くそぅっ!強欲な悪魔め!、この聖水をくらえ!!」

パイナップル番長が、ポケットから取り出したペットボトルに入った液体を悪魔にかけた。

キワーノ司令官:「ぎゃああああーーーーーーーー!!!、マジ、きったねーな!。このタイミングで、ションベンなんかかけるなよ。何の理由があんだ?、お前、私に願い叶えてもらいたいんだろ?、態度が間違ってね?、そんなんだから中年童貞なんだよ!。」

パイナップル番長:「ごめんなさい。深く反省しております…(とほほ、やっぱり女子高生の尿じゃないと効かないみたいだ…)」

キワーノ司令官:「許すのは今回だけだからな!!。自分だったらションベンかけてくる相手の望みなんて叶えないだろ?、まぁ、しかたがない。パイナップル番長、お前と契約してやるよ。なんでも何か一つだけ願いを叶えてやる!言ってみろ!」

パイナップル番長:「えっ!?、本当に良いんですか!、ありがとうございます!!、それじゃあ、自分を、世界一モテる男にして下さい!」

キワーノ司令官:「おい嘘だろ?、お前、そんな願いをもってたのか!。キモ!。そりゃ、無理だろ?、鏡見てみろ!。それに、お前とは初対面だけど、パイナップル番長よ。お前の性格は面倒臭いってハッキリ判るよ。人間の女にモテねーな。」

パイナップル番長:「えっ、悪魔の力でも無理なんですか?。」

キワーノ司令官:「まぁ、不可能とまでは言わないけど、お前のモテない性格は生まれつきなんだから。諦めるしかないんじゃないか?。何をしてもモテない奴はモテない。それが世の中の常識ってもんだ。お前は一生モテないだろうな。魔界の悪魔でも同じことだよ。その願い却下ね!」

パイナップル番長:「うわ~ん。やっぱりそうですよね。はい、そうです。わかってました。グスッ(涙)。」

この悪魔は冷酷だとパイナップル番長は思った。魔法書に書かれたとおり、狡猾な駆け引きの中に自分が取り込まれているのではと心配になって、交渉にミスがないのか必死に考えていたのだ。そこで、悪魔を油断させるために、あえてこう発言した。

パイナップル番長:「では、わかりました。それでは、『世界一モテない男にして欲しい』と願うことにします!」

キワーノ司令官:「はあ?。世界一モテない男だって!。そんなの簡単じゃん。今のお前、そのままで叶ってるよ。願う前から目的達成しているな!」

パイナップル番長:「はぁっ?。どういうことでしょうか?」

キワーノ司令官:「世界一モテない男というのなら、今のままのお前でいいということさ!」

パイナップル番長:「えっ?。自分が世界一モテないなんて信じられません。それを、証明してくだい!」

キワーノ司令官:「いや、それを証明するのは流石に無理だよ。まさしく悪魔の証明ってやつよ。そういうのは自分の身で感じろな!。それが成長には大切なことだぞ!。それにさぁ、お前は、今までの人生で一度も女性に告白されたことなかっただろ?。残念だが、それは、そういうことだ。」

パイナップル番長:「たっ、確かにありません。自分は女性に告白されることもすることもできず、いつもオナニーばかりしていました。でも、それでは、なんでも一つだけ望みを叶えてくれるって約束は嘘だったんですか?。」

キワーノ司令官:「いや、その点は安心しろ。ちゃんと望みは叶えるよ。ただ、大量のエロ本だけを対価にしたわりには、お前の望みはデカすぎやしないか?」

パイナップル番長:「いえいえ、エロ本は私の人生そのものです!。妻であり恋人です!。こんなに価値ある対価はございません。どうかよろしくお願いいたします!!」

キワーノ司令官:「ほう!パイナップル番長よ。お前、なかなか交渉が上手じゃないか!。お前を高く評価し、来世では世界一のイケメンに生まれ変われるようにしてやるよ。これでどうだ?」

パイナップル番長:「それはありがたいのですが、死んだ後では意味がないんです。今生でモテなくて悩んでいるんですから……。」

キワーノ司令官:「まあ、それはそうかもな。なら、どんな願いなら良いんだ?」

パイナップル番長:「はい。色々と考えましたが、世界一の美女と今生で結婚させて下さい!!。」

キワーノ司令官:「なるほど、じゃあ、それを叶えてやる!」

パイナップル番長:「ありがとうございます!!」

キワーノ司令官:「もう叶えてやったぞ!」

パイナップル番長:「えっ?そうなのですか?、その世界一美人の結婚相手はどこにいるのでしょうか?、これからの人生で出会うのですか?」

キワーノ司令官:「もう、お前の結婚相手とは出会ってるよ。お前の目の前にいるだろ?」

パイナップル番長:「えっ!?。」

キワーノ司令官:「世界一の美女なら、この私だろ?、パイナップル番長よ。お前と結婚してやる。」

パイナップル番長:「えっ?ええぇーーーーーー!!!!。キワーノ司令官が私と結婚してくれるのですか?。しかし、あなたは、なんと言いましょうか、お顔はブサイクなようでして、お身体も強烈肥満のようだし、なんと言いましょうか…、自分の結婚相手にはふさわしくないのではないかと…思いまして……」

キワーノ司令官:「おいおい、失礼なことを言うな!、それに、パイナップル番長って何様なんだよ?!。まあ確かに、人間の価値基準では、私はお前の言うようにブサイクだし、デブだ!、そして、私の顔を見た人間は殆どの奴が私をブスと言い、お前も私を不細工だと思っているだろ?。だが、それは人間界でのことだぞ!。魔界では、私は『ミス地獄』に1000年連続で総合優勝している美人なのだぞ!、世界は広いんだ!、人間の価値観を押しつけるのは良くないぞ!。」

パイナップル番長:「えっ!?、地獄のミスコンで優勝したことがあるのですか?。」

キワーノ司令官:「そうだぞ!、お前との結婚を知れば、他の悪魔は、お前に嫉妬して羨むことだろうな。」

パイナップル番長:「でも、悪魔と人間では、寿命や身体構造が異なるんじゃないですか?。悪魔と結婚したら、自分も悪魔になってしまうとか?」

キワーノ司令官:「その逆だ。私が人間に合わせて変わるのだ。寿命も90歳程度に設定しておこう。私の魔力を使えば、人間の価値基準に合わせて私自身を変えられるんだよ。実は、姿だって自在にこのとおり!!」

すると、キワーノ司令官は、20歳くらいのトップアイドルまたは主演級女優のような美しい女性に変化した!!

パイナップル番長:「キワーノ司令官って、本当に世界一の美女だった…!!」

キワーノ司令官:「しかし、こんな姿はお前には刺激が強すぎるようだし、お前は直ぐに女の外見に騙されるタイプのようだから、それを考慮して、私は、年齢40歳、身長180センチ、体重120キロの魔界より中年女性姿で結婚させてもらうよ!、なにより、結婚とは中身が大切だからな!」

途端に、キワーノ司令官はブサイク肥満の強烈熟女の姿に変化したのだった!

パイナップル番長:「えーーっ!、なんですかそれ!!(笑)、でも、キワーノ司令官、あなたは悪魔だけど、中身はとても良い『人』だって判ります。召喚に応じてくれたのがキワーノ司令官で良かったです!。人間になったキワーノ司令官と結婚できたなんて、本当に望みが叶いました。これから、末永くよろしくお願いしますね。」

キワーノ司令官:「まあな!、パイナップル番長!、こちらこそ、よろしくな!」

とある説では、元々、悪魔という存在は、その昔、戦いで敗れた部族が信仰していた多神教の神々だったそうだ。

色々と辛い思いをしてきたので、パイナップル番長の苦労を解ってくれたのかもしれない。

こうして、その後、パイナップル番長とキワーノ司令官は楽しい毎日を過ごし、子供もできて、幸せになりました。

パイナップル番長も、一生涯にわたり、完全にエロ本を卒業して、見事に契約の対価を支払ったのでした!

こうして、世界一モテない男は、世界一の美女(?)と結婚することができたのであります。

良かったですね!

○○○○ お し ま い ○○○○

この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。また、性的嗜好や差別を助長させる目的で書かれたものではありません。
(注:この文章を読んでいるあなたの世界にも、あなたにしか見えないパイナップル番長が存在し、また、どこの世界にも必ずパイナップル番長は存在するのです。)

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