見出し画像

「女好きの友人」と「虫Gの処理」で体感したUIとUXの関係【良いUI≠良いUX】

UIとUXの関係を体感した二つの出来事

最近、続けざまにタイトルのようなUIとUXはセットで語られるものではないことを再認識した出来事があった。

それは、私が最近少し仲の良い女好きの友人といった居酒屋の接客と、我が家に出現した名前を言ってはいけない虫Gの処理という二つ。

仕事柄ウェブアプリの開発や、ウェブマーケティングに関わることが多い中で、UIとUXというキーワードは多く利用され、またセットで利用されることが多い。
例えば、UI/UXの改善、などである。

だがしかし、このUIとUXというのは全くの別概念であり、UIを改善すればUXが良くなるというものではない。
それが分かりやすい出来事だったので、簡単に紹介したいと思った。

【補足】そもそもUI・UXってなに?

UIとUXの定義をあまり知らないで使っている人も多いと思う。
実際は私もすぐ忘れてしまうので、、備忘録のためにもここで再度確認しておきたいと思う。

UI(ユーザーインターフェース)

コトバンクから引用。

利用者が対象を操作するために接する部分。パソコンの場合、マウスやキーボード、ディスプレーといった機械的な要素、どのように操作するかという手順、画面に表示されるメニューやアイコン、ウインドウといった視覚的要素、警告音や文字の読み上げといった聴覚的要素などを指す。

https://kotobank.jp/word/ユーザーインターフェース-14016

ようするに、ユーザー=利用者と何かしらのシステムを媒介するもの。
一般的に、UIが良ければユーザーはストレスを感じることなく、スムーズにその製品やサービスから得られるベネフィットを享受できる。

UX(ユーザーエクスペリエンス)

こちらもコトバンクから引用。

製品やサービスのそのものの利用価値や所有価値ではなく、使用・消費・所有などを通じて、ユーザーが認知する有意義な体験のこと。

https://kotobank.jp/word/ユーザーエクスペリエンス-9472

UIは製品自体に含まれる要素であったが、UXに関しては製品から得られる体験。
つまり、製品やサービスそれ自体から外にある要素ということになる。

なぜUIとUXがセットで語られるようになったか

当然といえば当然だが、UIが良い方がUXをよくすることが多い。

私はWebのお仕事が多いので、アプリを例に考えてみる。
例えば、背景色が白い場合にボタンを何色にするべきだろうか。当然白以外でコントラストが強くなる色を選択するべきだ。
例えば赤とか青とか、黒とか。ボタンまで白はNG。

これは単純に、使いやすい、という話である。

一方で、別の観点でUIがUXに直結する場合がある。
それはデザインが美しいかどうか。
「美的ユーザビリティ効果」という法則があるが、同じ機能でもデザインの良いものの方が優れたものであると感じる傾向が人間にはある。
学生時代、「美男美女は見た目が良いうえにスポーツも勉強もできて、天は二物を与えるよな」と思ったことがあるかもしれないが、それと同じ。

少し脱線したが、UIとUXの大雑把な関係はこんな感じだが、実際はダイレクトに関係するものではない。
というのを、簡単にではあるが、実際の体験をもとに紹介したい。

女好きの友人が居酒屋で女性店員をナンパするとき

先日、私の女好きの友人と居酒屋に行った時のこと。
私は基本的に誰かと居酒屋に行くときは、連れに注文する内容を任せている。横着だったり、面倒くさがりだったり、人見知りで店員と話した区内だったり理由は複数あるが、とにかくそう。

その時も、注文はその女好きの友人に任せた。

店員を呼ぶと結構顔が良さげのギャルっぽい女の子だった(マスクだったので実際は分からないが。)

ところで、最近は注文を取るときのデバイスはスマホになっている。
その居酒屋もスマホアプリで注文をとっていたのだが、こちらの注文した商品がアプリ上で見つからずにすこし手間取っていた(おそらく、その注文を管理するアプリのUIが悪かったのだろう)。

注文がスムーズにいかないことは、一般的に客からすれば気持ち良いものではない。

しかし、ここで友人は嬉々として店員に話しかけ、一そのUIが悪いアプリの中から店員と一緒に自分の注文したい商品を見つけていた。
注文が終わった後、友人は「かわいい」などと言っていた。

さて、ここで店のUIは椅子や明るさなど店のレイアウトも含まれるが、そこで働いている店員もUIの一部となる。
UIは利用者とシステムを媒介するものであるので、客と店のサービス提供を媒介する店員は当然店のUIの一部となる。

次に、UXは店員などのUIを介し店のサービスが提供される結果得られる客の体験である。
ここで、UIは若干悪かったと思う(注文がスムーズに通らなかった)。しかし、客である友人のUXは良かった(かわいい女の子と話せた)。

若干思考が浅い部分もあるが、このような形で、なんでもかんでもスムーズで使いやすい「良いUI」が良いUXを生み出すとは限らず、ちょっと悪いUIが良いUXを生み出すこともある。

虫Gを処理したくて助けを探したとき

次の例は、名前も不快な虫Gが我が家に出てしまったときである。

最近ずっと家を空けていて、久しぶりに帰ってきて棚を開けたら棚の中に一匹いた。あまり思い出したくもないので、詳細は割愛する。

とにかくどうにかして処理したい。
そこで、一匹にたいして大げさとも思えるが、害虫駆除を依頼するか真剣に悩んでいた。
ググってみると、害虫駆除業者のページがいくつか出てきたので、適当にタップしてみたところ、画面に出てきたのは害虫のイラストや写真を利用したファーストビューで、いかにもという感じだった。

速攻で閉じた。

続いて、うちには殺虫剤やスプレーの類もなかったので、買いに行こうと思い近くの薬局に行くと、すぐに見つかった。
こちらもGや毛虫などのイラストが黄色背景に分かりやすくプリントされていたからだ。

結局買わなかった。

さて、「良いUIとは何か」と考えたときに、ひとつは「分かりやすい」ということである。

ここで私は害虫駆除をするにあたり、害虫駆除業者が利用した「良いUI」であるランディングページと、「良いUI」の殺虫スプレーから最悪のUXを受け取った。

理由は簡単。

私は虫が嫌いだからだ。そして、見たくないのである。
そうなれば、虫がでかでかと描かれたランディングページや殺虫スプレーはもはや比較検討すらできないほどに不快なものである。

もちろん、それが害虫駆除に使えるサービス・グッズであることは一目でわかる。だがそんなものは見たくない。

というわけで、なんでもかんでも分かりやすい良いUIが良いUXを生むわけではなく、悪いUIが良いUXを提供できる場合もあるということだった。

(ちなみに、結局G君は手で殺した。南無)

ユーザーのニーズを考えて、良いUXから逆算したUI設計が必要

実のところ、私は似たような仕事をしているが、UIデザイナーでもなければ、UXデザイナーでもない。
ただ、似たような仕事はしているので、アプリに限らず、ウェブサイトやリアル店舗などでどうしたら良いUXを提供できるのか、簡単な方針を共有したい。

良いUXだったと感じるユーザーは、そもそもどんなことを求めているのだろうか?と考えてみることが、「良いUX」と「最適なUI」を作成できると思う。

あまりにも基本的なことであるが、結局のところ良いUXとは「不快感なく今自分が抱えている課題を解消できた」ということだと思うので、まずは想定される利用者の課題を明確にすること。
その上で、その利用者がストレスに感じる可能性が高いもの排除しながら、課題解決のための機能をUIに残す。

まず考えることは利用者の課題とは何か。
そこから逆算してUIに落とし込むのが良いと思う。

以上。

この内容が、UI/UXの最適化にお悩みの方に、是非参考になれば幸いです。

参考文献

すべての文献に対して引用をしているわけではないですが、私の情報は以下のような文献を読んだ末に出来上がったものです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?