見出し画像

自称Webマーケターが2022年5月に読んだ本【小説、ビジネス書、哲学とか】

2022年5月ごろに読みはじめた本の感想を、備忘録的に残そうと思いました。読書のモチベーション向上にもなる故。

もう6月も折り返しですけど、良いんです。

ビジネス書

ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング Webマーケティングの成果を最大化する83の方法・木下 勝寿 (著)

2022年4月28日 出版。
ファンダメンタルズという戦略の部分と、テクニカルという戦術の部分に分けてマーケティングを考える本でした。
私の素直な感想としては、ファンダメンタルズはおおむね良い感じ(部分的に微妙)、テクニカルは現場の人であれば「うーん??」という感じでした。

ファンダメンタルズの解説では、訴求軸を考える上でペルソナ設定が重要であるとか、競合の真似では意味がないとか、そういうマーケターが陥りがちなミスを解説されており、耳が痛い・・!という感じで改めて学びになる部分がありました。

ただし、この方、男女の問題が好きなのか、性欲があふれているのか、出てくる例が大体男女に絡めた話になっていまして、時代に合ってないなと感じる部分が多々ありました。
例えば、”男性は「モテ」を重視し、女性は「共感」を重視する” 、”男性は「女性」が好きで、女性は「オシャレそのもの」が好きだ。” など。
また、別の箇所ではデモグラフィック情報はペルソナ設定にあまり意味がないというような趣旨の内容を書いているので、ますます「?」が頭に残りました。

テクニカルのところも、正直自社広告を出していれば基礎的なところでした。
SaaSビジネスのマーケティングをやっていた経験があったので、ROASの解説には謎が残りました。

総じて、支離滅裂といった印象が残りましたが、復習としては良かったかなという感じです。

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか・ロバート・B・チャルディーニ (著), 社会行動研究会 (翻訳)

2014年7月10日 出版。

元々読もうと思って2年前くらいに買ったんですが、分厚すぎて読まずに放置していました。
解説記事も多かったから、それなりに内容は学べますし。

ただ、しっかり本文を読んで分かったのは、著者が想定していたような伝わり方はしていないのかなあと。
巷の解説記事って、この本で紹介されている6つの武器を使って、商談や契約をうまく進めていこう!みたいな内容だと思いますが、この本ではそういった武器を使った悪い営業マンたちに騙されないようにしようということが解説されています。
なので、各武器の解説の後に「防衛法」というセクションがあります。

分厚いので読みたいとはなかなか思いませんでしたが、各章のまとめも丁寧に書かれているので、そこだけでも読むと良いかと思います。

ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか (講談社現代新書)・酒井 隆史 (著)

2021年12月15日 出版。

ビジネス、というか哲学書に近いのかもしれません。
デヴィッド・グレーバーの『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』という本を翻訳した方が、同書を開設した本です。

最初の課題提起は「介護・看護などのエッセンシャルワークはなぜ賃金が安いのか」ということ。
ブルシットジョブ=くそどうでも良い仕事。
くそどうでも良い仕事をしている人の代表格は広告代理店として挙げられています。つらい!!
しかも、第三者が言っているのではなく、広告代理店で業務している人が自覚しているというところがポイント。
何か自分と重なってしまいました。

現実には意味のないものなどないとは思いつつも、エッセンシャルワークの賃金やすい問題の理由が気になる方は読んでみると良いかもしれません。

哲学書

暇と退屈の倫理学 (新潮文庫)・國分 功一郎 (著)

2021年12月23日 出版。
正直、まだ全体を理解できていないな、と感じます。
結構売れているので解説動画とかも出ているんでしょうが、基本的に「考えること」そのものが哲学であるので、解説動画を見るのはどうか?と思いますので、解説は見ずに自分で考えたいと思います。

ざっくりとした内容はこんな感じです。
まず、今の人類には「なんとなく退屈」という空気が蔓延しています。
しかし、その退屈が何かはよくわからない。その退屈について「暇」と対比しながら、様々な哲学者、例えばパスカル、カントなどの考えを参考にしながら考えていくストーリーです。

混同されがちな暇と退屈が、実はそうではないこと、暇こそが人類の本質であることなど、気づかされることが多い本でした。

小説

同志少女よ、敵を撃て・逢坂 冬馬 (著)

今まで人気だからという理由で本を買ったことがなかったのですが、今後はマーケターとして何が流行っているかを知るべきだと感じて、とりあえず買った本です。

かなり面白かったですし、デリケートな問題ですが、最近のロシアウクライナ情勢の件も相まって何かいろいろ考えてしまう内容の本でした。

個人的に最後のオチはしっくりきませんでしたが、買って損はなかったと思います。

NSA 上 (ハヤカワ文庫SF)・アンドレアス エシュバッハ (著), 赤坂 桃子 (翻訳) 

NSA「アメリカ国家安全保障局」・・・ではなく、ドイツを舞台にしたドイツの国家保安局にいるアナリストとプログラマーが主人公のSFです。

第二次世界大戦中のドイツに携帯電話が発明されて、現代と同程度の技術があったら、というイフストーリーです。
ドイツではナチスの政策によって、現金が廃止されキャッシュレスのみとなります。そして全国が監視対象になるなど、ナチズムとIT技術がつながって様々な事件が起こります。

これもなかなか面白かった。
※これ書いている時点でもう6月後半で、実は下巻も読み終わっています。面白かった。

以上。


結構5月は本読めたなー、という感じです。
ゴールデンウイークのおかげか。

本当はWebマーケティングに関する本をもう少し読みたいとも思いつつ、そういう本ってつまらないんですよね()

本業に近い方がコメントもしやすいからnote格上では良い。小説のレビューはまだまだ自分の中にスキルがない感じがあります。
「同志少女よ、敵を撃て」はアガサ・クリスティー賞の受賞作品ですが、巻末に各本の評価もあって、これは面白かったです。
大賞まわりの本もこれからは読んでいきたいですねー。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?