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【書評】ストーリーとしての競争戦略⑨

楠木建先生の人気本でありますストーリーとしての競争戦略の纏めと感想の最終回です。今まではこの本のエッセンスを纏めてきました。この本の優れているところは豊富な事例が載っていることです。そのような意味でもっと知りたいという方はぜひこの本を読んでみて下さい。

⒈ ストーリーが何故必要なのか?

他社との差別化をするものとして大きく「ポジショニング」と「組織能力」があります。ポジショニングは何をやるかやらないかで他社との違いを作る事、組織能力は企業内部のノウハウ的な違いです。高度経済成長時代は例えば製品のポジショニングだけやれば儲かったり営業組織の能力だけが強ければ儲かる時代でした。しかし現代のようなデジタル時代ではこのような単体の違いだけではすぐに真似をされてしまい儲からなくなってしまいます。そこでいくつかの違いを論理的に結びつける事、すなわちストーリーを作る事で模倣性の低い戦略を立てる事ができ、企業のゴールである長期的な持続性のある利益を得る事ができるのです。

⒉ 思わず話したくなる戦略を立てよう

楠木建先生がおっしゃっている一番の重要な事は「思わず話したくなるようなストーリーとしての動画的な戦略を立てよう」という事なのだと思います。どの会社でもそうなのかもしれませんが、事業戦略や製品戦略など個々の戦略はフレームワークなどを使い綺麗なまとめをしているのかもしれませんが、それらの戦略が相互に連動し生き生きとした戦略が語られる事が少ないように感じられます。本書で書かれているようなストーリーの要素をじっくりと考え抜いた先に思わず話したくなるストーリーがあるはずです。


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