【書評】ストーリーとしての競争戦略⑧
楠木建先生のストーリーとしての競争戦略の纏めと感想の第8回目です。前回まではストーリーのスタートとゴールであるコンセプトと競争優位について見てきました。今回はそれらを結ぶ、構成要素、クリティカルコア、一貫性について見ていきたいと思います。
おさらいですがストーリーの全体像はこの様になっていました。
⒈ 構成要素とは何か?
これは言うまでもなく「他社との違い」の事です。コンセプトを実現するためにどういう他社との違いを作ってシュートまでもっていくのか、その中身の部分になります。
⒉ クリティカルコアとは何か?
このストーリーとしての競争戦略の最も重要な所だと思います。キラーパスと表現されていますが、ここが無いといくらパスをつないでもシュートの成功確率が上がりません。クリティカルコアとは何かというと
① 他の様々な構成要素と同時に多くの繋がりを持ち、
② 一見して非合理に見える
とあります。②が大きなポイントです。競争戦略の大事なポイントは「如何に模倣されないか」だと言いましたが、模倣しにくくするには一見非合理に見えても他の要素と合わせると合理的になる、事が大事になります。例えばスターバックスが他社の様にフランチャイズ方式を取らず直営式を取ったのもあのスターバックスのコンセプトを表現するのに必要だったからです。一見非合理なモノは他社は真似しません。真似をしたとしても全体として最適に出来なければかえって上手くいかないものです。
⒊ ストーリー全体を支える一貫性
では筋の良いストーリーとはどんなものでしょうか。
① ストーリーの強さ・・・・強い因果関係でむすばれている
② ストーリーの太さ・・・・つながりの多さ
③ ストーリーの長さ・・・・拡張性や発展性
コンセプトから始まり各々の構成要素やクリティカルコアを強く太く長く結び競争優位まで持っていく。そんなストーリーが最強だ、という事です。
次回は全体を纏めていきたいと思います。
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