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Xジェンダーは友人の結婚式でワンピース着るの!?~服を諦めたXジェンダーが、勇気を出して好きな服を着て出かけた話~

こんにちは。
ジェンダーレス母ちゃんの中村 炎です。


*

友人の結婚式がありました。

結婚式と言えば、おめかし。

今日は、Xジェンダーの私の、洋服のお話です。


*

レディースとの、諦めのお付き合い

以前にも書いた通り、
私はとても小柄なので、
普段は、Tシャツ以外は基本レディースを着ています。

メンズ…、着たいけど…。
体ちっちぇんだもん。


レディースじゃぁ、着たい服が着れないし、
きっとメンズなんて、着たってブカブカでカッコが悪いから、
好きな服を着ることを諦めて数十年。


だから今までは、結婚式も、
仕方なくレディースのワンピースを着て。


だって、生物学的には女性なので…、
そうでないと失礼になるかも、とも思ってました。

まだ20代だった最初のうちは、仕方なく、みんなと同じような派手めなドレスを買いに行って。

近年では、歳と共に、少し落ち着いたワンピースになっていたのですが…

自分がXジェンダーだと自覚できてからは、
どうしても、
好きでもないワンピースを着ることが苦痛になりました。

子供たちのお宮参りや、入学式なんかの時には、
もう新しいワンピースを買いたくなくて、
母から強制的にワンピースが送られてくる始末
\(˙◁˙)/
#服に興味が無いのがバレてる
#30代にもなって恥ずかしい


文字通り借り物のワンピースを着て、
仕方なく女性の母親としてやりすごしました。

写真なんか、見返したくもない。

モヤモヤ…モヤモヤ…。

*

自分を解放する


コロナ禍の昨年、友人のカメラマンに、
写真館で家族写真を撮ってもらえる機会がありました。

私と、子供たち、。3人で。


個人の写真であれば、誰の迷惑にもなりませんから、
私は、少し勇気をだして、メンズライクなパンツスーツで行きました。




仕上がった写真を見て、。

私、本当に嬉しそうで。

おめかしした子供たち、おめかしした自分。

偽りのない自分がそこにいました。


そして、なんと意外にも、
この写真が、友人たちにも大好評。

女性な自分じゃなくても認めてもらえた、嬉しい瞬間でした。

*


結婚式ではどうする!?


そこへきて今回の結婚式です。

さて、どうする!?


結婚式は、新郎新婦を祝う場であって、
自己表現の場ではありません。

失礼があってはいけないし、

私は、何を着ていけばいい!?

…今まで通り、無難に、母から借りたワンピースを着ていく?

…今まで通り、テキトーにやり過ごして、後から写真を見返すことも無い一日を選択する??


…それで、そんなモヤモヤを抱えたままで、
心からお祝いできるの??


*



着る服はアイデンティティだ


私が服に興味をなくしているのを知って、行事の度に 母から、今度着る服はどうするのかと聞かれる日々。
信用ゼロ。ごめんよ母ちゃん。
#大人なのに本当に恥ずかしい


カミングアウトをしていないので、
なかなか話が噛み合わないんですね。

どうしようかなぁ、と、濁していると、
母が、何かを察したのか、

「最近は、パンツスーツでも良いみたいだよ。
パンツスーツに、ブラウスに、パールのネックレスをつけて行けば!?」

と提案してくれました。

ほぉ、最近は、パンツスーツも許されているのか!!!

ありがとう母ちゃん!

…でもごめん、ブラウスは、着たくない!
フリフリのやつは、着たくない!



結婚式とは言えど、私は私。

母の一言で、なぜだか背中を押され、
#母は背中など押していない

自分を押し殺すのはもうやめよう、と決めました。

そこからは、失礼の無いように、色々調べて…


150cmのミニマムでも着られる、
ボーイズの(ちょっと恥ずかしいけどやむを得ん)
結婚式参列用のスーツ一式を手に入れました。


最近のキッズは、大人用と遜色ないお洒落なラインナップがあるのね!感激!

#服に興味を無くして十数年
#どうも浦島太郎です


男性であれば全く失礼のない格好。
これなら、失礼じゃない!はず!


ポケットチーフを入れて、
蝶ネクタイしたら、めちゃくちゃ可愛い!


私、これ着て行く!!!


生まれて初めて、メンズ(いやボーイズやけどな!)を着て、いざ、公の場へ!
#大袈裟

*

羽根を伸ばしたら背筋も伸びた


当日、一歩家を出ると…

そこに広がっていたのは、自由でした。


好きな格好をして、外を歩くことが、
こんなに幸せなことなのかと!


さすが令和の都会、稀有な目で見られることも無く、
会場のレストランまで、ご機嫌でたどり着くことが出来ました。


20年振りに再会した地元の友人も、
いつもFacebookで私の姿を見ていてくれたので、
スーツ姿を見ても驚くことなく、
寧ろ大絶賛してくれました。
#察してくれた優しさ
#持つべきものは友

披露宴では、疲れ果てるくらい笑って泣いて。
本当に幸せな気持ちで、心からの祝福ができました。
やっぱり、
祝いの席にモヤモヤなんか持っていっちゃダメだ!



何より嬉しかったのは、
新郎のお父様が、帰りがけに、わざわざ
「お召し物がとてもお似合いですね。」
と声をかけてくださったこと。


…許された瞬間でした。


この時のことは、今思い出しても胸があたたかくなります。

本当に本当に嬉しかった。

令和、いい時代だなぁ。

ちゃんと令和バージョンにアップデートしてくださってるお父様に感謝しつつ、会場をあとにしました。


ちょっと大袈裟に聞こえるかもしれないけど、
この日は私にとって、
歴史に刻まれる幸せな日でした。

大切な友人の幸せな姿を見て、分かり合える友人と笑って泣いて共に過ごした、本当にいい一日。

私は、これから、好きな服を着て、
好きなものを身につけ、胸を張って生きます!

これが私の、アイデンティティだから。

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