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ネット時代の書籍プロモーションとは?

 みなさん、こんにちは。
 私は出版社・現代書林企画部のHです。よろしくお願いします。
 
 インターネットが普及する前の時代において、書籍のPRは、新聞・雑誌の広告や書評が主な手段でした。
 全国紙の中面に大型広告を掲載した時は、書店や読者からの注文で、会社の電話が鳴りやみませんでした(今となっては、懐かしい思い出です)。
 

●著しい新聞の発行部数の低下

 しかしながら、現在は状況がガラッと変わっています。
 全国紙をはじめとする新聞の発行部数の低下は著しいものがあります。
 
 日本新聞協会が発表したデータによれば、一般紙の発行部数は1990年代末に5,000万部超まで拡大しましたが、その後、部数が減り始め、2021年の一般紙の発行部数は3,000万部を割りました。
 この数字は1960年代と同等のもので、高度成長期以前のレベルまで落ち込むことが確実になったわけです。 
 

●新聞を読んでいるのは60歳以上の世代

 加えて、新聞の読者層の高齢化も進んでおり、新聞の主な読者層は60代以上というのが現状です。
 2021年にNHK放送文化研究所が調査したところによると、1995年から2020年にかけて、10代から50代では新聞購読者率が一様に減少しています。
 60代は2010年までは横ばいでしたが、その後は減少傾向にあり、70代になってはじめて減少傾向が止まります。
 今後、新聞の購読者はどうなっていくのでしょうか?  

●注目されるYouTubeの書評チャンネル

 新聞は衰退の道を進んでいると言えますが、新聞広告費は、驚くことにあまり変わっていないようです。
 雑誌、文庫、新書を除けば、多くの書籍では費用対効果がよくなく、広告費用が賄えないことも起きています。
 
 最近では、YouTubeでの書籍紹介(書評)チャンネルが注目を集めています。有名なものは、タレントの中田敦彦氏の「YouTube大学」(チャンネル登録者数515万人)でしょうか。
 
 その他にも、書評系YouTuberのチャンネルはたくさん存在しており、人気のYouTubeチャンネルに紹介されると、効果があります。
 
 ただYouTubeチャンネルはノンペイドのパブリシティーですので、有料広告とは別の媒体と見るべきでしょう。 

●Amazonのスポンサープロダクト広告は可能性を秘めている

 そんななかで最近、弊社が注目をしているのが、Amazonのスポンサープロダクト広告です。
 Amazonスポンサープロダクト広告とは、検索キーワード・類似商品・ジャンルを設定することで、読者が設定したキーワードなどを検索した際に、検索ページと商品詳細ページの上位に書籍を表示させることができる広告方法です。
 
 Amazonスポンサープロダクト広告の一番の特徴は、コストパフォーマンスの良さです。
 クリック課金型の広告ですので、細かいターゲット設定ができ、掲載途中での設定変更も可能です。
 
 弊社では、2年前からAmazonスポンサープロダクト広告を活用しています。売上が顕著に伸びて、増刷につながっている書籍もあります。
 
 プロモーションは、出版の成否を決める重要なファクターのひとつです。
 今後も引き続き、Amazonスポンサープロダクト広告を含め、効果的なPR媒体を模索していこうと思います。

現代書林企画部 H