見出し画像

【書店様向け情報】「こんなはずじゃなかっただろ? ― 不寛容を考える」フェアのご提案

生まれた所や皮膚や目の色で
いったいこの僕の何がわかるというのだろう
こんなはずじゃなかっただろ?
歴史が僕を問いつめる

1989年に発売されたザ・ブルーハーツの「青空」。作詞した真島昌利さんは30年以上前から今の状況を想像していたのでしょうか?

 嫌韓感情を煽るヘイト本、「障害者は不幸をつくる」という優生思想、貧困に対する自己責任論、従軍慰安婦の否定。
 私たちは不寛容な時代を生きています。
 その感情はどのようにつくられるのでしょう?
 その感情の波に流されないために、私たちに何ができるでしょう?
 デマや偏見に抗ってきた人たちの声に耳を傾け、正確な情報と言葉を探し、自分の感情を大切にすることが寛容でいられることへの一歩かもしれません。
 障害者・ハンセン病者・精神病者の自己表現を研究する異色の近代文学研究者、荒井裕樹さんと一緒に、私たちが今いちばん読んでほしい作品を選びました。
 不寛容さについて考える重要性を、書店の片隅から呼びかけていただけることは出版社にとってこの上ない喜びです。

「こんなはずじゃなかっただろ? ― 不寛容を考える」フェア、選書リスト

※ フェアをご開催いただける書店様にはパネル(A4〜A3サイズ)をご提供致します。
※ ☆マークのついた書籍は基本セットとなります。
※ 現代書館以外の書籍については、各出版社様へ直接ご注文ください。
※ 荒井裕樹さんセレクトの書籍にはコメント入りPOPをご用意致します。

☆『青空』(真島昌利歌詞、Botchy-Botchy絵、現代書館)
☆『どうして、もっと怒らないの?』(荒井裕樹対談集、現代書館)
☆『【増補新装版】障害者殺しの思想』(横田弘著、現代書館)
☆『差別されてる自覚はあるか』(荒井裕樹著、現代書館)
☆『キジムナーkids』(上原正三著、現代書館)
下手くそやけどなんとか生きてるねん。』(渡邊洋次郎、現代書館)
入所施設だからこそ起きてしまった相模原障害者殺傷事件』(河東田博著、現代書館)
日本人「慰安婦」』(戦争と女性への暴力」リサーチ・アクション・センター編、現代書館)
関東大震災朝鮮人虐殺の記録』(西崎雅夫編著、現代書館)
【増補新装版】優生保護法が犯した罪』(優生手術に対する謝罪を求める会編、現代書館)
精神病院はいらない!』(大熊一夫著、現代書館)
ぷかぷかな物語』(高崎 明著、現代書館)
一緒がいいならなぜ分けた』(北村小夜著、現代書館)
ぼくの村は壁で囲まれた』(高橋真樹著、現代書館)

荒井裕樹セレクション

わたしが障害者じゃなくなる日:難病で動けなくてもふつうに生きられる世の中の作り方』(海老原宏美著、旬報社)

「障害者のこと」を知らない人は、この1冊から。知ってる(つもりの)人も、この1冊から。


みな、やっとの思いで坂をのぼる:水俣病患者相談のいま』(永野三智著、ころから)

人生に対して誠実な本は、「語る」よりも多く「聴いて」いる。まだまだ終わらない水俣病。その患者たちの声に耳を傾け続けた真摯な一冊。


声めぐり』(齋藤 陽道、晶文社)

「ろう」を生きる写真家の自伝的随筆。「つながれない」という孤独の淵で、「つながれる声」と出会うまでの、たましいの道のり。


』(星野智幸、新潮社)

誰の心にもある憎悪と絶望。その中でも消えない信頼と希望。闇と光の翻訳家・星野智幸の短編集。


「国語」から旅立って』(温又柔、新曜社)

「日本語」って何? 「日本人」って誰? 「日本文化」ってどこにある? 「○○語-○○人-○○文化」の三位一体神話から逃れるための一冊。


強制不妊:旧優生保護法を問う』(毎日新聞取材班編、毎日新聞出版)

かつて、障害者を「不良な子孫」と名指した法律があった。執念とも言える取材から見えた「優生保護法」の実態。


狩りの時代』(津島佑子、文藝春秋社)

「障害者」に忍び寄る不穏な空気。実際に障害者の兄をもった著者が、正面から「障害者差別」を見据えた絶筆長編小説。


時代の正体Vol.3 忘却に抗い、語りつづける』(神奈川新聞「時代の正体」取材班、現代思潮新社)

性差別、ヘイト、相模原事件――差別の現場をまわり、深層を掘り起こした連載の書籍化。


語り継ぐハンセン病:瀬戸内3園から』(山陽新聞社)

「昔あった差別」に目を背ける人は、「今ある差別」を見ようともしない。ハンセン病回復者・関係者への丁寧な取材で、終わらない「ハンセン病問題」を伝える一冊。


荒井裕樹
一九八〇年生まれ。二松学舎大学准教授。博士(文学)。専門は日本近現代文学、障害者文化論。主な著書に『差別されてる自覚はあるか』(現代書館)、『障害者差別を問いなおす』(ちくま新書)がある。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?