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駒形一路先生による、2022共通テスト国語【追試験】のご分析

先日、高等学校国語科で教鞭をとられる駒形一路先生による、2022年共通テスト【本試験】のご分析を紹介させていただきました。今回は、引き続き、【追試験】のご分析となります。もちろん、先生のご許可は頂戴しております。

以下、私の感想です。

一刻も早く、「実用的な文章」は新学習指導要対象者(現中3、新高1生)の受験回(大問数の増加及び試験時間の延長が既に発表されている)まで先延ばしする旨、明示することを望む。新高3、高2生の不要な不安を払拭したい。

これは【本試験】での分析でもご指摘なさっていた点ですが、本当にそう思います。ただでさえ試験のフレームが不安定で、様々なことを想定しなくてはならない受験生にとって、「実用的な文章」が出題されるかもしれないという可能性は、余計なプレッシャー以外の何ものでもありません。「先延ばし」の「明示」を、強く訴えたい。

第1問問6、すなわち「未完の文章」を用いた問い方についての以下のご指摘も、極めて重要です。

そのことの是非は論じられたか。これは出題の工夫というレベルの話ではない。

これまでのオーソドックスな試験形態を全肯定するつもりはありません。そこに様々な問題点があり、改善すべきという意見については僕も同意します。ただ、オーソドックスな試験形態は、その実施に関して何十年もの歴史を持ち、試験としての安定性や信頼性については、新傾向問題の比にはなりません。新たなタイプの問題の出題を企図するなら、もっと時間や労力をかけ、さらには有識者や現場の先生方の議論などを踏まえ、徹底的に吟味と試行を繰り返すべきではないでしょうか。間違っても、受験生の将来を左右する試験本番で実験していいものではないはずです。

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