現代文問題集の活用法!
こんにちは! 現代文講師の小池です。
コロナが猛威をふるい、休校措置や映像代替もまだまだ続きそうなこの状況。この期間を受験生や高校生の皆さんが少しでも意味ある時間とすることができるように、現代文の自習法についてのちょっとしたヒントを以下にまとめてみたいと思います。
演習の仕方
皆さんは、「制限時間内で解答し、マルつけをする」というやり方で現代文問題集を使われることが多いのではないでしょうか? もちろん、例えば入試直前期など、いわゆるスピードトレーニングをする際にはそうした演習法も大切です。でも、今はまだまだ基礎を固める時期ですよね。とすると、いきなりそういう取り組み方をするのは得策ではない。むしろこの時期は、
☆時間無制限で取り組む☆
⇒まずは本文を精読する。
①冒頭情報から着地点に至るまでの〈展開図〉を作る。
*最初は、段落ごとに要約や小見出しを作るだけでもいいです。
*重要と思われる情報を箇条書きするだけでも効果はあります。
②上記のプロセスの過程で意味を知らない語句があれば辞書で調べる。
③辞書で調べた情報を、「意味調べノート」にまとめる。
⇒設問を解く。
①どうしてそう答えるのかを考えながら、ノートに解く。
②選択肢問題は、他の選択肢を間違いと判断した理由もメモする。
③漢字や語句等の知識問題は、辞書などを使って調べてよい。
④選択肢などに知らない語句があれば、これも辞書で調べる。
⑤調べた情報は、「意味調べノート」にまとめる。
といった方法で、じっくりと本文や語句、設問と向き合ってほしい。簡単にいえば、
辞書などの力を借り、かつ時間をかければ、文章の内容もだいたいは理解できて設問もそこそこ正答できる
という状態を作り出しておきたいんです。そうすれば、直前期にスピードトレーニングをする意義も、グッと増すのですね。以下に、僕の元生徒が作成した〈本文の展開図〉を載せておきます。
こんな感じで作ってみてください。今の段階で作れるモノを作ってくれれば、それで大丈夫です。
なお、これは思いっきりド100%、すがすがしいほどの宣伝なのですが、拙著『無敵の現代文記述攻略メソッド』(かんき出版)は、こうした〈展開図〉や「意味調べノート」を自力で作成する方法を、かなり詳しくネチネチと解説しています。よろしければ、ご参照ください!
復習の仕方:本文の復習
現代文問題集の復習でまずやってほしいのが、自分の本文理解が正しかったかどうかを確認すること。具体的には、
☆本文理解の確認☆
⇒問題集の本文解説を熟読する。
①演習で作成した〈本文の展開図〉とつきあわせながら読む。
②〈本文の展開図〉に誤りや抜けがあったら修正する。
というやり方ですね。その意味で、使用する参考書は、できれば本文解説が充実したモノを選びたい。オススメは、河合出版の出している『入試現代文へのアクセス』(基本編・発展篇)です。
もちろん、本文解説のしっかりとしたものであれば、お手持ちの問題集をお使いいただいて大丈夫です。もし、お手持ちの問題集に本文解説がなく、アクセス等を購入することも厳しい場合には、残念ですが、本文の復習についてはスルーしてかまいません。ただ、演習の段階での〈本文の展開図〉は、必ず作ってくださいね。たとえその読み取りにミスや誤りがあったとしても、主体的に文章と取り組んだという経験は、間違いなく皆さんの読解力向上につながります!
復習の仕方:設問の復習
現代文問題集における設問の復習については、以下のプロセスで実践することを強くオススメします。
☆正答に至る思考のプロセスを熟考する☆
⇒なぜそれが正答になるのか、その根拠を徹底的に分析する。
①解答を見て、自分の答案にマルつけをする。
*この際、解説は読まない!
*間違えた問題は、正答を書き込んでおく。
②知識問題は、「意味調べノート」にまとめておく。
③間違えた問題に関し、
▶なぜそれが正解か?
▶どのように思考すれば正解できたか?
▶自分の思考のどこがまずかったか?
を考え、文章にしてまとめる!
④問題集の解説を熟読する
という流れですね。最も重要なポイントは、
解説はいきなり読むのではなく、自分で正答根拠を考えてから読む!
ということです。
最後に
以上の演習法、復習法は、かなり時間のかかる作業ですし、場合によっては「もうこれ以上は物理的に時間をかけられない!」となることもあると思います。そうなったときは、そこで作業をやめてしまってもかまいません。「完璧にこなす!」というより、「自分に許された時間のなかで、できるかぎりのことをやる!」という意識で取り組んでみてください。
では、皆さん、苦しい時が続きますが、なんとか少しでも、今ある時間を意味あるものとしていきましょう。
僕たち講師も、知恵を出し合い、たとえ微力であれ皆さんに何かしらの貢献ができるように頑張ります。
勝ちましょう、絶対に。
コロナにも。
そして、受験にも。
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