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【73歳父の小説】はがき文通

前回父の小説を載せたら意外と好評だったので、第二弾を載せようと思う。今回はエッセイです!(短いので安心してください)

多くの人が読んでくれるのであれば嬉しいです。


「はがき文通」 ポール守谷(著)

 

 自分は73歳、今。
二年前まで、航空会社の先輩同僚と再雇用で格納庫のご案内をいたしてました。
定年してその後同じ職場の同年輩の友とはコロナの影響がありなかなか会えなくなりました。
で、季節のお便り差し上げての縁で、近況を伝え合ったりさせていただいて。
今でも時々と言うより定期的を心がけてはがきやときには葉書で近況を伝えあってます。

思い出されるのは、それこそもう半世紀以上前の子供の頃の郵便友の会に入りペンフレンドを探して手紙を書いていたことを思い出されますが。
いつまでに書いて出さなくてはとか、直ぐ必ず返事書かなくてはと言うような堅苦しいものではなくて、ほんと気の向いたとき近況伝えて。
頂いたら必ずすぐにお返事書いて出さねばとか、いいことたくさん書かねばとかは考えていません、お互いに。
それこそ書きたいと思うとき思われるときに描いて。頂けばすぐに中身を読みたくなり、うんうんそうお元気でご活躍のようでよかったとその喜び、出来事その状況をできるだけ共有させて頂いて。
自分も同じ感動時に、時には悲しみの情を分かち合わせていただいて。
ふんふん今度は何をお知らせしようかなあと思い巡らすとても心癒されます。
それならこの時代ラインでいくらでもチャチャチャとできるじゃん。
即伝えられるじゃん、まさにラインでその通りですが。
まあまあいいじゃないですか。
その通りなんですが。
そこがいいんですよ、考える時間、相手を思う時間がいいんですよ。
そうしたいんですよ。
もちろんラインもネットもやります、爺様だから頑固に文字を自分で書いて、切手はってポストに出すんだというんではありません。

庭のゴーヤのカーテンは幸い夏中日陰をつくってくれて、実り具合も大豊作で、大いに我が家の夏の省エネ対策に貢献してくれて、その後に植えた秋キュウリの成長野、涼しくなっつて着てるがよくキュウリ頑張って大きい実をつけてくれましてと我が子をいとおしむような気持で収穫しましたとお知らせして。
夏も早く涼しくなって秋のさわやかさと豊富な実りを期待して。
そして最後は決まっつてコロナが早く収まり、お会いして話して大いに飲みたいねで占めます。

秋も深まり朝夕は寒いくらいで、日の出が遅く日の入りが早く。
そうなればそれでまたお手紙のお返事の内容も豊富になり。
こたつ出しました、ストーブ出しました。
冬布団にしましたとか、特別の事ではないのですがそんな日常のなんでもない一コマが描写されて活字で送られてきます。
自分としてはまさに先様のおうちの様子が想像されまして、同じ感覚に浸れてああそうだ家もストーブ出さんとなア、冬のお布団もなあなどと思い。
行動を共有出来るのでして。
そこが同じように暮らしてるんだなあという共通の感情に浸れて充実感を感じます。
同じ様に元気で暮らして居られるなあと言う安心感です。
十分下書きを繰り返して文章を簡潔にしてはがきにきちんと収まる字数整え充分意思の伝わるような言葉を選び。
やっとの思いで書き上げて、フーッと一息ついて。
投函すれば、その後は何時着くかな、もう読んでくれてるかなあ、返事くれるかなあと楽しい思い巡りが始まります。

こんな時がとても心癒されるのです。
こんな何でもないと周囲から思われるハガキのやり取りがとても心温まるのです。


73歳父の小説シリーズはこちらにまとめてあります。


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