大学で活きる小学校教員の経験
今回は大学で活きる小学校教員の経験についてお話しします。
授業運営
私が一番活きたなと思う経験は、授業運営に関するものです。
これまでの記事でも書いてきましたが正直なところ、授業の進め方は大学教員よりも小・中・高校教員のほうが100倍上手いと感じています。
特に、授業中の学生の掌握の仕方が、現場にいた先生とそうでない先生では全く異なります。
全ての大学というわけではないですが、批判を恐れずに言うと、偏差値の低い大学ほど、授業運営が難しいと聞いています。
私の勤務する大学も、いわゆる「Fラン」と言われておりますので、授業態度はよろしくないほうかと思います。
ただ、小学校教員時代の経験を活かしながら授業運営を行うことで、寝ている学生はいますが、私語で他の学生の邪魔をしたり、授業妨害をしたりするようなことはなく、授業を行うことができています。
具体的に何が違うのかというと、「指導ができる」ということに尽きると思います。
意味が分からないかもしれませんが、言葉を変えると「適切に怒ることができる」ということです。
(この「怒る」という言葉を使うと、教育関係の方から、「怒ってはいけない、指導をするんだ」と指摘を受けそうですが、ほとんどの指導の時、教員は怒っていますので、あえて怒るという言葉を使います。)
怒りに身を任せるのではなく、授業の妨げとなる行動を指摘して、辞めるよう伝えることができる能力というのは、現場経験がある方のほうが格段に上手いと感じています。
小・中・高校だけでなく、大学でも適切な指導ができず、私語が止まらない授業を何度か見かけることがあります。
同じ学科の学生であれば指導できますが、他学科の学生であれば接点がないため指導はできません。
小学校教員から大学教員を目指されている方は、今の授業運営が必ず活きますので、研究授業などを含め、授業運営に精を出してもらいたいです。
学生指導
小学校での経験は学生指導にも活きます。
まず、小学校は基本的に子どもと常に一緒にいるため、子どもを観察する力が知らず知らずのうちに身についています。
そのため、子どもの小さな変化に気づくことができます。
大学においても、その観察力は重宝されることとなり、学生の小さな変化に気づきやすいと感じています。
そして、現場の先生は細かい指導ができます。
この「できます」という表現にしたのは、学生相手だと、必ずしも細かい指導が良いこととなるわけではないからです。
自主性を育てるためにも、時には自分で問題を解決させる必要がありますが、いざとなれば細かい指導をすることもできるということです。
私のいる大学もそうですが、「そんなことまでしなければいけないの」ということが大学では普通にあり得ます。
中に入ってみないとわからないことではありますが、初等教育は学生指導にも確実に活きます。
マルチタスク
小学校教員にはマルチタスクが求められます。
朝の会の準備をさせながら連絡帳をチェックしたり、子ども達の様子を見ながら授業準備をしたりすることなどは日常茶飯事です。
そのため、良くも悪くも「~~をしながら~~をする」ということが自然とできるようになるかと思います。
大学では小学校ほど忙しくないものの、研究と教育、学内委員会や学外業務など、仕事の幅が多岐にわたります。
しかし、マルチタスクが体に染みついている小学校教員であれば、十分に対応することができます。
時間の流れ自体はゆっくりですので、多くの仕事を捌くことができるかと思います。
今回は大学にも活かせる小学校教員の経験についてお話ししました。
中学校、高校教員も経験を活かせるかと思いますが、(言葉は悪いですが)「手のかかる」小学生を相手にしてきた小学校教員が一番大学教育に活かせる力を持っていると感じます。
ぜひ、小学校教員から大学教員への道を模索してはいかがでしょうか。
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