大学の強みとは何か?~アピールポイントを把握する~
今回は大学におけるアピールポイントについて考えてみたいと思います。
オープンキャンパスでの出来事
18歳人口が減少に向かっている昨今、大学ではオープンキャンパスへの熱がさらに高まっております。
オープンキャンパスへの参加度が受験とどの程度関わっているかは定かではないのですが、たくさんの高校生に来てもらえることに越したことはないでしょう。
私の勤務している大学も、今夏は参加人数の制限を例年通りに戻し、昨年度と比べると大幅な参加者の増加となりました。
そんな今年度のオープンキャンパスで、ハッとさせられる出来事がありました。
ある日のオープンキャンパスで、学部、学科での全体説明が終わったのち、女子学生に個別質問をしたいと声をかけられ、私が対応することとなりました。
どのような点について質問があるのか聞いてみたところ、「起業を目指しているのだが、起業しながら大学で学ぶことができるか」という質問でした。
ケースバイケースではありますが、大学生で起業をしている方もいるため、やり方によっては可能だと回答をしました。
その次に、学費について質問をされました。
純粋にどのくらいの学費がかかるのか、という質問です。
パンフレットを提示しながら学費について説明をすると、矢継ぎ早に次のような質問がとんできました。
「この学費に見合う大学の強みは何ですか?」
正直、ドキッとしました。
それは純粋に、自分でも「何が強み何だろう」という疑問が頭をよぎったからです。
大学の強み(アピールポイント)を把握するということ
上記のような質問をされた後、う~んと考えながら、勤務校が掲げている二つの柱について説明をしました。
当たり障りのない回答になったかとは思いますが、その二つの強みが他の大学との差別化できる部分だと感じたからです。
ただ、その場では苦しい説明なったことは否めません。
その女子学生はその後、「その二つが強みなのですね」といった形で確認するように話をして、去っていきました。
オープンキャンパスで自分の大学の強みについて説明ができなかった私が100%悪いのですが、上記のような質問をされたのは初めてだったため、非常に衝撃を受けました。
そして、その後改めて自分の大学の強みについて考えてみました。
よくよく考えてみると、正直、大学がアピールしているポイントというのは、他大学と重なっている部分が多いと感じます。
〇〇という資格がとれる、〇〇という免許がとれる、少人数指導が受けられるなど、他大学と大して変わらないポイントがアピールされています。
特に教育系大学であれば、複数免許を取得できるといったアピールがありますが、むしろ教育系の大学で一つの資格しかとれない大学を知りたいくらいです。
いろいろと考えてみた結果、やはり、苦し紛れに絞りだした回答に行き着くこととなったため、半分安心、半分皮肉といった感じとなりました。
高校生に言えること
上記のようなことがあり、オープンキャンパスにおける自分の対応を反省した私だったのですが、高校生に言えることとしては、進路を決める際、複数の大学のアピールポイントを明確にしたほうが良いということです。
そして、各大学が他大学と差別化している部分を比較しながら、自分の求めているポイントは何なのか、ということを認識することが重要です。
今回話題にした女子生徒のように、起業まで視野に入れている生徒は珍しいかもしれませんが、「大学の強み」を把握し、それらを比較することは大学進学を考えるうえで必須事項と言えるかもしれません。
ぜひ、他大学と同じようなありきたりのアピールポイントにつられることなく、その大学の差別化しているポイントを見極めたうえで進学先を選択してほしいと思います。
今回は大学の強みについて、私の体験を元にお話ししました。
私も高校生の頃から起業を考えるほど、自分の将来について考えていればよかったと思いました。
人生は後悔の連続ではありますが、先人の知恵を借りながら、納得のいく選択をしていきたいものです。
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