ka2co6が紡ぐ「ホログラフィズム」の世界
皆さんこんにちわ。現四通信編集部 視力です。
今回は名号と呼び声高い現四通信2024年7月号を振り返り、
その中でも一際目立つホログラフィズム
コチラについて解説していきたいと思います。
ホログラフィズムとは?
ホログラフィズムとは、
ホログラムっぽいイラストを描く芸術ジャンルです。
ka2co6さんのイラストに視力が「ホログラフィズム」と名付け、
この概念は提唱されました。
「キュビスム」や「シュルレアリスム」「ダダイズム」などの芸術運動と同じ位置づけとなります。
(※実際の"ホログラム"の解説は以下)
ホログラフィズムの定義はホログラムっぽければ何でも可です。
描いた人がホログラムっぽいと言えばホログラフィズムですし、見た人がホログラムっぽいと感じたらホログラフィズムになります。
それのどこか一部分でもホログラフィックだと感じられればホログラフィズムの定義は満たされ、それはホログラフィズムに該当します。
なので、
間口は広く、敷居は低いですが、ホログラムよろしくそこには実態があるようで無いようで無いようであるような概念になりますので、どうかあまり難しく考えすぎずお眺めいただけましたら。
淡く奥深きホログラフィズムの世界をご堪能下さい。
ホログラフィズムの魅力
ホログラフィズムは
視覚的に曖昧でありながらも、
浮遊感や立体感、どこか儚げで虚な表情、それらが相まって、まるで見る人を別次元に引き込むかのような不思議な感覚を与えます。
抽象的な線やシンボルが錯綜し、どこかデジタル的な要素と有機的な要素が融合したような印象を受けます。
シンプルでありながらも、細かいディテールが施されており、ひと目見たその瞬間に一瞬でどこか別の世界へ連れてってもらえます。
そこには存在しない何かや何処かに、触れさせてくれるんじゃないか?連れて行ってくれるんじゃないか?
そんな期待を持ちながら、でもそれは目の前で視覚効果だけを満たしているに過ぎない。
そして、それを紙面上に俯瞰的に意識するその狭間に、現実と空想がどっちがどっちだか分からなくなるような、なんとも言えない揺らぎを感じてそのまま光に溶けてしまいたくなる気持ちになります。
イラストの特徴
ホログラフィズムのイラストとしての特徴は、
その定義の曖昧さから来る画風のバリエーションの多様さだと感じています。
こちらのイラストもホログラフィズムです。
他の作品と比較すると、塗り潰しによる全体像の構築と、カラーバリエーションも白に薄緑のみを使っており、全体的にソフトで淡い雰囲気を醸し出しています。
しかし、
その淡さの中に強い存在感が感じられます。具体的な形を持たない線が、キャラクターや物体の輪郭を形成し、なんとも言えない心地よい雰囲気が作品全体に広がっています。
こういったホログラフィズムも存在するのです。
こちらもホログラフィズムです。
ドット絵で構成された少女の身体は、どこまでが彼女でどこまでが風景なのか分かりません。
動いているのか止まっているのか、進んでいるのか消えていっているのか、一粒一粒のピクセルたちがこの曖昧な感覚を甘く刺激し続けます。
線の使い方にはリズムや動きが感じられ、視覚的な「音楽」を楽しむような感覚をもたらしていると感じます。
この視覚的リズムは、まるで目で音楽を聞く「網膜ボカロ」の世界観とも共鳴しているように感じられます。
ka2co6のスタイルとホログラフィズムの可能性
ka2co6さんのスタイルは、
ホログラフィックな表現を用いながらも、シンプルで洗練されたデザインが特徴です。
ka2co6さんは数学がお好きみたいなので、それがイラストにも活かされていると感じています。
こういった要素が理論として搭載されているのかは分かりませんが、少なくともニュアンスとしてはホログラフィズムには数学的要素を感じる事が出来ます。
実態があるのかないのか、概念上で展開された最小限の言語情報の羅列をもとに視覚効果だけを刺激する思考回路はイラストの雰囲気に表れてるような気がします。
このイラストのように、具体的な意味を持たない抽象的な線や形を用い、見る者の想像力をかき立てる手法は、数学的アプローチにも捉えられ、ホログラフィズムの持つ虚空的な魅力を最大限に引き出しています。
ホログラフィズムは、
視覚的な探索を楽しむ新しいアートスタイルであり、現代のデジタルアートの一部としてさらなる可能性を秘めていまると考えています。
特にこのジャンルは、
現実とデジタルの境界線を曖昧にし、新しい視覚的体験を提供するアートとして注目されることでしょう。
まとめ
ホログラフィズムは、シンプルでありながらも深い表現が可能なイラストジャンルです。
ka2co6さんの作品は、そんなホログラフィズムの魅力を存分に感じさせてくれる芸術の希望の光。
デジタルアートとアナログな感覚が融合したこのスタイルは、今後もアートの新しい形として注目を集めることでしょう。
そんなホログラフィズムの世界に、あなたの世界も投影をしてみましょう。
今あるこの現実も、
目の前に映るホログラムも、
どちらも等しく美しく
存在してるのかしていないのか 分からないのですから。
(文 : 視力)
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