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設備計画(空調計画基礎)

この記事は令和4年度版です。最新版は下記になります。


空調計画基礎

設備計画で苦手な人が多い空調計画の押さえるべき基礎事項だけを抜き出して記事にします。先に基礎固めをしてから、設備の全体像をつかんでください。

空調設備は種類が多く、製図試験では何を選択すればいいのか悩みます。始めから色々な種類の設備を理解しようとせず、空冷ヒートポンプパッケージ方式だけを覚えましょう。

まず、空冷ヒートポンプパッケージ方式を理解するため、基本原理が同じルームエアコンの仕組みを勉強します。その後、空冷ヒートポンプパッケージ方式の使い分けを覚えれば、空調の基本知識が備わります。

その他の空調方式(単一ダクト方式、ファンコイルユニットなど)は、基本となる方式(空冷ヒートポンプパッケージ)を理解した後、違いを踏まえて勉強すると早期に理解できます。

ルームエアコン

空調設備を理解するため、身近な家庭用ルームエアコンで説明します。ルームエアコンの規模が大きいものが空冷ヒートポンプパッケージであり、基本原理は同じです。

冷房運転の場合、室外機の熱交換器で冷媒を冷やします。冷媒配管で冷媒が室内機へ運ばれ、室内の熱交換器で室内空気を冷やします。

【室内機】
フィルター/ 室内のほこりを取り除きます
熱交換器/室内の空気を温め、または冷やします
クロスフローファン/風を起こし空気を吹き出します
【室外機】
熱交換器/冷媒を温め、または冷やします
ファン・モーター/冷媒の熱を放出します
インバーター/モーターの回転数を変えます

室内の熱交換器は熱伝導率の高いアルミ製フィンで構成され、室内空気との接触面積を大きく取った熱交換器の中を通過することで熱が奪われ冷たい空気へと変わります。

空気の流れはクロスフローファンによって室内の空気を循環させます。室内空気は入れ替わりませんので、ルームエアコンとは別に換気設備が必要です。

空冷ヒートポンプパッケージ方式

[空冷ヒートポンプパッケージ方式の使い分け]
天井カセット型/居室で個別空調
床置きダクト接続型/天井の高い大空間、高い吹き出し能力
天井隠蔽ダクト接続型/吹抜けで高い吹き出し能力

製図試験で個別空調が必要となる場合、空冷ヒートポンプパッケージ方式が便利です。機械設置スペース、PS、DSの制約が他の方式に比べて少なく、省エネルギー性に優れています。換気機能は別途必要で、全熱交換器が多く用いられます。

【PSパイプシャフト、パイプスペース】空調設備や給水設備、排水設備等の配管を通すスペースのことです。排水管の勾配を確保するため、各階に一定の間隔で設けます。
DSダクトスペース】空調設備や排煙設備の空気を搬送するダクトを通すためのスペースのことです。抵抗を減らすため、短く、曲がりを少なく計画します。


天井カセット型

屋外の空冷ヒートポンプパッケージ室外機から、各室の室内機に冷媒を介して熱供給する空調方式です。ヒートポンプは外気が持っている元々の熱エネルギーを利用するため、省エネルギー性に優れています。

室内機は室内空気を循環させるだけなので、別途、換気設備が必要です。
個別制御が容易で省エネルギー性に優れます。個別制御に優れるため、客室、研修室等の比較的小さな部屋や、運営時間の異なる店舗等に採用されます。

天井カセット型では、ビル用マルチと呼ばれる1台の室外機に複数台の室内機を接続する方式がよく用いられます。

室外機/屋外設置(地上、屋上)
室内機/天井裏設置
シャフト/PS要(DS不要)
換気設備/別途必要
特徴/省エネ、個別制御性良好

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