記述研究所のテキスト 08
用語集
この用語集は、製図試験を初めて受験する方が覚えておくと役立つ記述用語を説明しています。
「建築計画」「構造」「設備」「環境負荷低減」の4分野を分割して用意します。
初めて製図試験を受ける方に向けて書きましたが、基礎から再確認したい方にとっても役立つように詳しく書いています。
また、記述の勉強を進める中で、理解不足だと思った用語があった場合には、辞書的に使い再確認する利用方法をおすすめします。
この記事は「設備」です。必ず出題され重要度の高い分野です。
早めに基本から押さえておきましょう。
空調設備
空調設備とは、空気調和設備や換気設備を合わせたものの総称です。空気調和とは、「温度」「湿度」「気流分布」「清浄度」を整えて、室内の環境を快適にすることです。
ルームエアコン
試験で出題される規模の建築物で採用される空調設備は、家庭で使われるルームエアコンと機器構成が同じものがあります。
まずは、ルームエアコンの概念を理解します。その後、試験で出題される様々な方式を覚えていきます。
夏場の冷房で説明します。
ルームエアコンでは、室内の風を送り出す室内機と熱を外に放出する室外機で構成されています。
熱交換器を通して、室内の熱を室外に放出します。
熱は冷媒配管を通して運ばれます。現在の冷媒はオゾン層破壊への影響が少ない代替フロンHFC(ハイドロフルオロカーボン)が多く使用されています。
室内機では室内の空気を冷やして送り出し、外気を取り入れていません。
換気機能はないので、別途、換気設備を設けるか窓などを開けて換気する必要があります。
ヒートポンプ
ルームエアコンは空気を熱源としたヒートポンプが使用されています。空気中の熱を利用するため、少ないエネルギーで冷暖房効果が得られます。
①圧縮機では、冷媒の圧を高めて高温にしています。
②熱交換器では、外気に触れさせることで熱を逃がしています。
③膨張弁では、圧抜きをすることで冷やします。
④室内空気から熱を奪って冷やします。
熱源方式
空調方式は、熱源によって大きく二つに分かれます。
中央熱源方式
中央熱源方式は、一つの集中した熱源から建物全体を空調します。
個別分散熱源方式
個別分散熱源方式は、熱源を数か所に分散させています。
空冷ヒートポンプパッケージ方式
製図試験で個別空調が必要となる場合に、最も多く選ばれる方式です。
この方式は先に説明した家庭用ルームエアコンの規模が大きくなったもので、業務用ルームエアコンです。
この方式は換気機能がありません。
換気設備には全熱交換器が多く用いられます。
製図試験では、居室の特徴によって3種類の空冷ヒートポンプパッケージ方式を使い分けます。以下の各方式の特徴を記します。
天井カセット型
室外機から各室の室内機に冷媒を介して熱供給する空調方式です。室内機は天井内部に収まる省スペースタイプです。
1台の室外機で複数台(2〜10台程度)の室内機を接続できるビルマルチタイプのものがよく採用されます。