見出し画像

旧作ゲームのプレイヤーが新作ゲームにどんどん流れていく現象について

スト6やピクミン4など、魅力的な新作ゲームがどんどん発売されてますね。プレイヤーの時間は有限なので、新作ゲームを遊べば、そのぶん旧作ゲームに費やす時間は少なくなります。

自分がいるスマブラ界隈では、ストリートファイター6をプレイする上位勢の姿が散見されます。ゲーマーなら、スマブラをしながら片手間で別ゲーをすることは珍しいことではありませんが、スマブラをある程度休止してスト6に打ち込む上位プレイヤーも見られます。競技シーンを湧かせた上位プレイヤーが別ゲーに移っていくのは、なんとも言えず寂しいものがあります。

とはいえ、一生ずっと同じゲームを遊ぶってわけにもいかないよな…とか思って、ふと疑問が浮かびました。当たり前すぎて考えたことがなかったのですが、「なんで1つのゲームソフトを遊び続けるのは難しいのか?」「新作ゲームが次々と生まれて、旧作ゲームのプレイ人口が減ると何が起きるか?」をこの記事では考えてみます。

※この記事で「ゲーム」と言う場合、特に記載がなければ、コンピュータゲーム(いわゆるテレビゲームやPCゲーム、携帯機などでのゲーム)を指します。


なんで1つのゲームを遊び続けるのは難しいのか?

「俺はこのゲームを一生遊んでるぞ」という人もいるかもしれませんが、ほとんどのゲームは数ヶ月~数年遊ばれば長いほうじゃないでしょうか。リメイクが出たら「数年ぶりに遊んでみるか~」となるものの、10年も20年も遊ばれるゲームはとても少ないです。なぜなのか。

伝統的なスポーツとゲームの違い

この話をするときに、まず思ったのは「野球とかサッカーといった遊びは、何十年もルールが変わらないまま遊ばれてるよな…」ということ。単純な比較はできませんが、話をわかりやすくするために、野球などの伝統的なスポーツとゲームを比較してみます。

昨今では一部のゲームがいわゆる「eスポーツ」などと認知されるようになりましたが、野球などの伝統的なスポーツとゲームには根本的な違いがあります。それは、ゲームは圧倒的に寿命が短いということです。たとえば野球はほとんど同じルールのまま何十年もプレイされ続けるでしょうが、eスポーツと言われるようなゲームが同じように長期間遊ばれ続けることは非常に少ないでしょう。これはプレイ人口が多いか少ないかの問題ではなく、ゲームの持つ特徴のせいだと考えます。

ゲームが持つ特徴①ハードがどんどん変わる

これはゲームの大きな特徴の1つでしょう。Nintendoのゲームを例に見ても、スーファミ、ゲームボーイ、64、アドバンス、SP、DS、Wii、Switchなどと数年おきに新しいハードが出ています。コンピュータの性能はどんどん発達しているので、それに伴ってハードも進化します。

ハードが新しくなると性能が上がりますが、良いことばかりではありません。複数人でゲームを遊びたい場合、全員が同じハードを持っている必要があります(友達の家に集合する場合を除く)。古いハードは、新しいソフトがもう出ないうえ、周辺機器も手に入れにくくなるため、必然的に買われるのは新しいハードになります。こうして古いハードは徐々に遊ばれなくなっていきます

スポーツで強引に例えれば、新しいバットやラケットが出てきて「今日からこの用具じゃないと遊べません!」と言われるような感じです。スポーツで数年ごとに規格が変わるようなことは起こりにくいですね。伝統的なスポーツは、生身で遊ぶような設計になっていて、コンピュータが発達しようが5Gが普及しようが、遊び方は大きく変わりません。

ゲームが持つ特徴②新作ソフトが次々に出る

ゲームでは、くそ面白い新作ソフトが次々に発売されます。新作ソフトを遊ぶきっかけが無限に出てくる状況です。「ゼルダの新作??買うしかねぇ」「このインディーゲーム面白そう、セールだしとりあえず買っとけ」みたいなノリで行動していくと、積みゲーが無限に増えていきます。

新作ソフトが無限に出るのは、当たり前ですがゲーム制作会社が営利企業だからです。新作ソフトを作って売らないと、社員が食っていけなくなっちゃいます。だから新作ソフトが無限に生み出されます。おまけに新作ソフトは、過去ソフトの反省を踏まえて「いかにプレイヤーを楽しませるか」が考え抜かれているので、たいていめちゃくちゃ面白く、みんな買います。

ここでまた野球を引き合いに出すと、野球を作って売る会社なんてものはないし、野球協会のような組織には「今年中に新しいボールゲームを作って売り出さないと!」みたいなインセンティブはありません。

いったんまとめると、「なんで1つのゲームを遊び続けるのは難しいのか?」に対する1つの答えは
コンピュータの発達に伴って新規ハードが開発される
魅力的な新作ソフトが次々に発売される
プレイヤーが新しいハードやソフトに移行する

という流れがあるから、と言えるんじゃないかと思います。

新作ゲームが次々と生まれて、旧作ゲームのプレイ人口が減ると何が起きるか?

面白い新作ゲームがどんどん出ることは、プレイヤーにとって嬉しいことです。しかし、プレイヤーの時間は有限なので、新作ゲームを遊ぶようになると、旧作ゲームを遊ぶ時間がなくなります。

旧作ゲームのコミュニティが衰退する

「コミュニティ」なんて言うと大げさですが、要は界隈の仲良い連中の集まりです。ゲームは単なる遊びじゃなく、一緒に遊んだ人が謎に仲良くなるツールです。ゲームは、全然知らん人どうしで集まってもなんだかんだ遊べて、その後も集まる理由になります。旧作ゲームが遊ばれなくなることは、このようなコミュニティが維持しにくくなることを意味します。

「一緒に新作ゲームを遊べばいいじゃん」って思われるかもしれませんが、前述したようにハードとソフトはどんどん新しくなるので、一緒に遊び続けるなら、お互いに環境を揃える必要があります。強い理由がない限り、旧作ゲームを遊び続けることは徐々に難しくなります。

もちろん、コミュニティが全くなくなるわけではありません。一例として、旧作ソフトであるスマブラDXは今でもプレイヤーが多く、大会が定期的に開かれています。

派生コンテンツが少なくなる

多くの人に遊ばれるゲームは、ゲーム単体ではなく、それ以外の派生コンテンツを生み出します。対戦ゲームの例で言えば、大会やオフ対戦会、それから選手のyoutube配信など、そのゲームが流行しているうちは無限の派生コンテンツが生まれます。

ゲームの人口が減ると、それにつれて派生コンテンツの生まれる量も減ります。ただ、ある程度年数が経つと、いわゆる「懐ゲー」として再評価するような動きが出てきたり、RTA走者が理解不能な開拓を見せたりするので、悪いことばかりではないと思います。

まとめ

あえて特定のゲームに限定せず書きましたが、想定していたのは「スマブラの新作がこの先ずっと出なかった場合、他のゲームにみんな流れて、そのうち誰もスマブラをやらなくなるのか??」って疑問でした。自分はそんなに影響力のある人間ではないし、すぐに結論を出せるほど簡単な問題ではないですが、キャラ窓というコミュニティを構成する端くれとして、避けて通れない問題なんじゃないかという気がしています。スマブラSPは巨大なタイトルで、当面はまだまだプレイヤーもいるとは思いますが、将来的なことを想像して、現時点で考えてみたことをとりあえず記事として残しておきます。

この記事が参加している募集

全力で推したいゲーム

ゲームで学んだこと

いただいたサポートは、Switchのコントローラ購入費にあてさせていただきます!