液体に最適なバルブ【プロセス産業】
サニタリー配管から一般産業まで、
大変多くのプロセスにおいて使用されている「アングルシートバルブ」
簡単な特徴をこちらの記事で説明しました。
アングルシートバルブの流体制御の様子はこんな感じ。
流れる流体に対して斜め方向に弁体(流路をふさぐため上下する部分)が作用します。
ここで一番最初の図をご覧頂ければわかりますが、
アングルシートバルブは弁体がバネの力により、グッと押し出され流路を塞ぐという構造(ノーマルクローズの場合)
これらの構造が「液体を使ったプロセス」において大きな優位性を誇ります。
その理由は2点。
①流体の勢いを吸収し、ウォーターハンマーを防ぐ
上記の図のような向きで流体を流しているので
「流体が流れる方向」と「弁体が力を加える方向」がほぼ正反対の構造になっています。
流体は向かって右方向に、反対に弁体は左下方向にベクトルが向いています。
自分が何かに衝突した時を想像してもらえると分かると思いますが、
壁に衝突するのと、バネを内蔵した衝撃吸収材に衝突するのとではどちらが勢いを吸収してくれるか容易にイメージ出来ますよね。
前述した通り、アングルシートバルブはバネの力により弁体が流路を塞いでいるので、このバネと連動して弁体がクッションの役割となり流体の運動エネルギーを緩やかに吸収してくれます。
※もし仮に、バルブに少しの余裕もなく流体が衝突する構造となっていた場合、ウォーターハンマーが発生し配管に大きなダメージを与えることになります。
ウォーターハンマーとは、水圧管内の水流を急に締め切ったときに、水の慣性で管内に衝撃と高水圧が発生する現象である。弁の閉鎖や配管の充水時、ポンプの急停止といった急激な変化によって生じる。
引用:Wikipedia
アングルシートバルブであればウォーターハンマーの発生を防ぎ、配管の安全性を保つ事が出来ます。
②逆止弁の役割も兼ねる
逆止弁とは、流体の”逆流”を防ぐために設置されるバルブです。
引用:逆止弁
上記図において、流体は向かって右方向(→)に流れており、弁体は右方向の力をうけてスイングして開く構造になっています。そのため、流体が逆流し左方向(←)に流れてしまっても赤色の弁体が開くことはありません。
これが逆止弁の役割。
そして、この逆止弁の機能をアングルシートバルブは持ち合わせています。
図は右方向(→)に流れていた流体が、逆流して左方向(←)に流れた場合を表しています。
弁体はバネの力を受けて左下に押されて流路を塞いでいるので、流体が逆流して左方向(←)に流れれば、弁体はその力も借りて更に大きな力で流路を閉めることになります。よって、流体の力どれだけ大きくなっても弁体が開き、逆流する事はありません。
こうして逆止弁としての機能を果たすわけです。
多くの場合では、「流量調整をするバルブ」と「逆流を防ぐバルブ」の2つを並べる必要がありますが、アングルシートバルブを使う事でその必要がな無くなります。2つのバルブをアングルシートバルブ1つで兼ねる事が可能なのです。
すると、部材削減のコストカットに加え、アプリケーションの短縮・省スペースが可能です。
まとめ
液体を使った産業プロセスではアングルシートバルブがメリットを持つ。
その理由が
①流体の勢いを吸収し、ウォーターハンマーを防ぐ
→流体の勢いをバネの作用で緩やかに吸収し、急速な圧力上昇等を防ぐ事が出来るから。配管の安全性向上。
②逆止弁の役割も兼ねる
→コストカットとアプリの省スペースが可能になる。
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