絶滅危惧種の保護活動~たぬきケーキ作ってみた~
たぬきケーキってご存知ですか?
その名の通り、どこかとぼけた表情が愛らしいたぬき型のケーキです。
最近ではテレビ番組「グレーテルのかまど」で紹介されたりと再注目されはじめていますが、実物を見たことがない方も多いのではないでしょうか?
手作りゆえに作画崩壊をおこしている個体もたまにいますが、それも愛敬。大切にしたい愛すべきケーキです。ですが、たぬきケーキは近年取り扱い店が減り絶滅の危機に瀕しています。
たぬきケーキは昭和40年代~50年代ごろに流行したケーキなので、現在も取り扱いがあるのはその当時からお店をされているいわゆる「地元の老舗」菓子店ばかり。オーナーさんの高齢化による店じまいや、世代交代によるケーキのラインナップ変更によるショーケースからのフェードアウトが加速しているのが現状です。
たぬきケーキは作るのがちょっと面倒くさい
これは私が家で作ったたぬきケーキです。ぽや~んとした顔がかわいいですよね^^
全部で5匹くらい作ったのですが、作った感想は、見た目以上に作るの面倒くさいなというのが正直なところです。家でちょっと作る分には問題ありませんし、別段手間がかかるものでもないのですが、店売りできる量を1人でコンスタンスに作るとなると、面倒くさいだろうな~という感じです。
面倒くささは顔にあり
断面図を見てもらうと分かるように、たぬきケーキの表面はコーティング用のチョコレートが全面かけてあるものが大半です。
作り方をざっくり説明するとだいたい下記のような感じです。
(作り方)
土台となるケーキ(上の写真なら焦がしバターのカップマドレーヌ)にバタークリームを丸く絞る
→
上からチョコレートをかける
→
チョコレートが固まらないうちに、指で顔の白抜き部分をシュッとして作る
→
さらに固まらないうちに耳を差す
→
目や鼻をつけて完成
どこのたぬきもだいたいこんな感じで生まれているはずですが、太字の部分がネックになりそうな工程です。
チョコレートって当然固まるので、ケーキの上にかけて固まらないうちに指で顔の白抜き(と耳)を作らなければいけません。当然指はチョコで汚れるわけです。
また、指で顔をシュッとする工程がうまくいかなくてもリカバリーはむずかしく(再びチョコを上からかけることはできないので)作画崩壊たぬきが生まれ落ちるのも納得です。
作業のパートナーやアシスタントがいれば、1人はチョコ掛け、もう1人は顔や耳を付けると作業分担できるのでかなり気楽にはなると思います。
もちろん慣れれば1人でもスムーズにできるとは思いますが、それでも1人だとチョコが固まるまでというタイムリミットの中でバタバタせわしないな~と感じました。
でも可愛い。お手本があるうちに練習して保護
これはたぬきケーキの12㎝ホールケーキバージョンです^^
お菓子だって伝統工芸と同じで、誰も作らなくなると作り方の詳細やコツが引き継がれていかないですよね。そんな現状で、雇われ菓子屋の私ができることは、現存するたぬきを参考に持っている技術でまず作ってみる、そしてレシピを残すことかな~と思います。独立したらお店に出したいですね。
食べて応援!作って保護!
まこでした^^
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